2017年9月21日から東京ゲームショウ2017が開催される。現行、あるいは発売前の人気ゲームが並び、ゲーム市場を先読みできるイベントだが、今年は「久々の大豊作年」と呼んでいい、極めて充実した展示会となりそうだ。

 その要因は、近年のコンシューマーゲーム機(家庭用ゲーム機)市場の復活にある。昨年のゲームショウからの1年を振り返ると、昨年11月の「ポケットモンスター」「ファイナルファンタジー」の最新作の発売を皮切りに、「ドラゴンクエスト」「モンスターハンター」「ゼルダの伝説」などなど、国民的ゲームと呼ばれる人気シリーズの最新作が、立て続けに投入されている。しかも、今年の10月には、大本命の「マリオ」シリーズの新作も控えている。これほどの大作ソフト群が短期間に投入されたのは、珍しいことだ。

任天堂の『Nintendo Switch』
任天堂の『Nintendo Switch』
[画像のクリックで拡大表示]

 この活況ぶりをけん引するのは、もちろん3月に投入された任天堂の新ハード「Nintendo Switch」だ。とはいえ、これまでの躍進は『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』『スプラトゥーン2』『ARMS』、そして10月発売の『スーパーマリオ オデッセイ』など、強力な自社ブランドタイトルの勢いによってもたらされたものにすぎない。任天堂は、ハードを正式発表するぎりぎりまでゲーム機の詳細をトップシークレットとするのが通例であるため、発売後しばらくは、大手パブリッシャーの大作ソフトの開発が間に合わないのだ。

 逆に言えば、ハード発売から半年が過ぎた今が、やっと大手パブリッシャーが本腰を入れて開発したタイトルが出そろうタイミングといえる。任天堂は東京ゲームショウに出展しないが、それらの多くのパブリッシャーによるNintendo Switch用の大作タイトル群が、東京ゲームショウ2017でお披露目される見通しだ。そうなればコンシューマーゲーム機市場はさらに盛り上がるだろう。

PS4、ニンテンドー3DSなども活況

 Nintendo Switch以外のプラットフォームも、例年以上の元気を保っている。

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のPlayStation 4は、いまなお堅調ぶりを維持しており、この春には全世界6000万台の普及を達成した。その巨大市場に向けたタイトルが次々に投入されており、ソフト市場でも脂がのった豊作期が到来している。またニンテンドー3DSも同様に、全世界普及台数で6000万台を悠々と突破し、その成熟した巨大市場に向けたタイトル群が控えている段階にある。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントの「PlayStation 4 Pro」(CUH-7000シリーズ)
ソニー・インタラクティブエンタテインメントの「PlayStation 4 Pro」(CUH-7000シリーズ)
[画像のクリックで拡大表示]

 スマホアプリ市場も同様だ。全世界の老若男女にスマホが普及したいま、これまでのような黎明期ならではの右肩上がりの市場ではなくなったものの、激しい競争によって優れたソフトだけが生き残る、完全に成熟した市場となりつつある。

 つまり、今年のゲームショウは、すべてのハードが例年と同様、あるいはそれ以上の活況になった上に、さらにNintendo Switchの爆発的な活気が上乗せされるという、近年まれにみる大盛・特盛・メガ盛り! なゲームショウになる見通しなのである。

注目はVRとe-Sports

 では、今年のゲームショウでの、いくつかの新規注目ポイントを紹介しておこう。

 ひとつは、最先端のゲーム映像が体験できるVR(仮想現実)だ。昨年はPS VR発売直前で、ゲームショウ会場はVR一色といっても過言ではなかった。今年もVRへの注目度は高く、5タイトルのPlayStation VR(PS VR)タイトルがプレーステーションブースに出展される予定だ。また、今年からはVRとAR(拡張現実)のタイトル群を集めた「AR/VRコーナー」という新規エリアも新設される。各国のVR関連企業が自社製品を並べる。

昨年、東京ゲームショウ2016のSIEブース内プレイステーションコーナーの様子
昨年、東京ゲームショウ2016のSIEブース内プレイステーションコーナーの様子
[画像のクリックで拡大表示]

 もうひとつの注目ポイントとしては、世界最強のゲームライブストリーミング配信サービス・Twitchの本格参戦を挙げておきたい。日本ではまだなじみのない方も多いが、世界規模でゲーム実況中継動画が集結する、欧米ではスタンダードとなっている巨大サイトだ。同社は、日本での展開を本格化するため、日本オフィス設立を発表したばかり。東京ゲームショウには、従来よりブースのサイズを拡大して出展する。誰もが自分のプレー動画をネットに公開し、コミュニケーションを楽しむ時代が、すぐそこまで迫っていることを実感できるだろう。

昨年、東京ゲームショウ2016が初の単独出展だったTwitch。今年はブースを拡大する
昨年、東京ゲームショウ2016が初の単独出展だったTwitch。今年はブースを拡大する
[画像のクリックで拡大表示]

 また、全世界で人気が沸騰中のe-Sports関連のニュースにも注目したい。今年のゲームショウでは「e-Sports X(クロス)」という名のステージが用意され、9月23・24日の2日間で8つの競技タイトルによる熱戦が繰り広げられる。世界的に広がるe-Sportsの盛り上がりを体感できそうだ。

 会期中には、各ブース内のステージでさまざまな新作情報がリリースされる。今年のアニメ界で、サプライズ的な大ブームを巻き起こしたコンテンツ「けものフレンズ」も、ゲームショウ会場で何らかの発表をする気配あり。小さなお子様のフレンズがいるご家庭は、ぜひ注目しておきたいところ。「たーのしー」新情報があるかもしれない。

(文/野安ゆきお)