東京ゲームショウ2016のビジネスデイ初日にあたる9月15日は、奇しくも100年前に戦車が実践投入された日。というわけで、日本を代表する戦車マニア3人による、マニアックすぎるスペシャルトークショーが開催! 題して、「戦車を語れ! スペシャルトークショウ」。
『ガルパン』の新作は出るのか?
ウォーゲーミングの戦車ゲーム『WORLD OF TANKS』も、『ガルパン』も、どちらもリアルな戦車が登場するという共通項がある。まずは、『ガルパン』ファンなら誰しも気になる最終章の新作情報について、あの手この手で杉山氏に聞き出そうとする宮永氏。宮永氏が「最終章と言いながら、最終章第1節なんでしょ? ネバーエンディング最終章とか?(笑)」と言えば、「最終章が10年とかね(笑)」と杉山氏も悪ノリする。しかし、「何か大きな動きが?」と宮永氏が話を振ると、杉山氏は「ないです!」ときっぱり。それでも宮永氏が「何かない?」は食い下がったが、杉山氏は「まだしゃべれないけど、面白い脚本があがりつつある」と答えるにとどまった。残念ながら、「ポロリ」は実現しなかった。とはいえ、「最初はシャーマンで企画書を出したけど、監督から却下された。シャーマンはやられ役だから(笑)」という裏話をポロリと明かし、会場を沸かせた。
戦車トークは「シャーマン」一択
いよいよ本題である戦車トークへ。しかもテーマは、戦車のなかでも「シャーマン」一択というこだわりぶり。シャーマンとは、第二次世界大戦時にアメリカで開発された中戦車の通称だ。丹羽氏が「シャーマン道」の追求者というだけあり、シャーマンについて45分ひたすら語り倒す! という潔い主旨だった。
ここでも『ガルパン』と話を絡める宮永氏は、「なぜ(ガルパンの)サンダース大学付属高校はパーシングを使わなかったのか?」と杉山氏に問うと、杉山氏は「強すぎて、サンダースっぽくない。(パーシングは)戦後のスタンダードだから。(サンダースは)馴染みにある戦車を使って強敵を倒してナンボだと思う」。さらに宮永氏が「サンダース大学の附属高校だから、(パーシングを)大学に持っていかれてるのでは?」とつっこむと、「サンダースの大学チームは、持ってるかも?」と杉山氏。
実物の写真を見ながら、さらにトークは続く。「T28は面がまえが悪すぎるから、味方に置いておきたくない」(杉山氏)、「TはTestのT。試作機ということ。5両作ろうと思っていたけど、2両で力つきた」「M4シャーマンは、実写映画で見て、カッコよくて、好きになった」(丹羽氏)など、杉山氏と丹羽氏が、見つめ合ってシャーマンを語り出すと、あまりのマニアックぶりに、客席の大半、そして中継中のニコニコ生中継のユーザーまでもが、ポカーン……。シャーマンのこととなると話が止まらない、これぞ真のシャーマン道というところか。
無印、A1、A2、A3、A3E、A4、A6など、バリエーションの多いシャーマンだが、これはトラック、機関車など、様々なメーカーが開発に携わったためだという。それぞれの得意な技術で作ったので、エンジンなどに違いが生まれた。さらに工場の刻印の違いまで気にし始める杉山氏に対し、「まだまだわからないところが虫悔いのようにたくさんある」と丹羽氏は応じた。
変わり種の戦車を紹介すると、常に「『WORLD OF TANKS』に実装するんですか?」と聞かれ、困るという宮永氏。とはいえ、実際に同作で再現されたシャーマンは多数ある。「いろいろな国のシャーマンで遊べるので、鍛えてもらえたら」という宮永氏は、「実装できるものは、すべて実装したい!」と意気込む。
戦車ファンを魅了してやまない『ガルパン』『WORLD OF TANKS』の2作品。シャーマンについての知識をたっぷり浴びつつ、今後の両作のコラボがますます楽しみになった。
(文・写真/荒川陽子)