空気や水の浄化も大きな関心事に

 欧州の空気と水はキレイだと思っていたのに、どうやら暮らしてみるとそうでもないらしい。

 IFA NEXTに参加したフランスのスタートアップ、R-PURは空気の質を解析しながら、PM2.5に代表されるような微小粒子状物資から身を守るためのスマートマスク「R-PUR」を開発した。価格は200ユーロ(約2万6000円)前後。欧州ではクラウドファンディングを成功させて、既に5000台近くの製品を売りさばいたという。同社のスタッフは「今後は日本などアジアでもクラウドファンディングに挑戦してみたい」と語っていた。

フランスのスタートアップが開発した空気中の微小粒子状物資もカットする強力なマスク「R-PUR」。ヘルメットは無関係
フランスのスタートアップが開発した空気中の微小粒子状物資もカットする強力なマスク「R-PUR」。ヘルメットは無関係
[画像のクリックで拡大表示]
特殊な生地とフィルター素材を幾層にも重ねて空気の汚れをカットしてくれるという
特殊な生地とフィルター素材を幾層にも重ねて空気の汚れをカットしてくれるという
[画像のクリックで拡大表示]
そもそもマスクを着ける習慣がなく、生体認証によるアンロック機能が顔認証しかないスマホでも特に不便を感じない欧米人がこのアイテムをいつ着けようと思い立つのか気になるところ
そもそもマスクを着ける習慣がなく、生体認証によるアンロック機能が顔認証しかないスマホでも特に不便を感じない欧米人がこのアイテムをいつ着けようと思い立つのか気になるところ
[画像のクリックで拡大表示]

 本体には微小粒子を捕らえるための交換式フィルターを装着して使う。デバイスの装着方法は日本人にもおなじみのマスクと一緒。デザインやカラーバリエーションも複数そろえる。専用のフィルターは6~8週間は連続して使用でき、リフィルは20~25ドル程度で販売されているそうだ。同社のスタッフは商品開発の動機を「私たちの拠点であるパリ以外にも、特に都市部で空気が汚れてきた。健康的な生活を求める人々の声に応えたいと考えてR-PURをつくった」と話す。

 空気清浄機といえば、高度な機能とスタイリッシュなデザインが好評の日本のメーカー、cado(カドー)もIFAに出展していた。同社のスタッフは、おととしから続けてIFAに出展してきたことでブランドの認知が高まり、イタリアやポーランドをはじめ欧州の各国に取り扱い先が広がっているといい、良い手応えを感じている様子だった。

カドーはIFAですっかりなじみの顔になった日本のブランド
カドーはIFAですっかりなじみの顔になった日本のブランド
[画像のクリックで拡大表示]
スタイリッシュな空気清浄機、加湿器のプレミアムモデルが欧州でも注目されているという
スタイリッシュな空気清浄機、加湿器のプレミアムモデルが欧州でも注目されているという
[画像のクリックで拡大表示]

 同社の空気清浄機の主力モデルは500ユーロ(6万円台半ば)前後。「欧州で空気清浄機といえば100ユーロ(約1万3000円)前後の安価でシンプルな機能のものばかりだったが、当社とコンペティターであるダイソンのようにプレミアムモデルを扱うブランドの評価が高まっている」と語る。空気の汚れが原因のぜんそくやアレルギー、花粉症などにフランス人も頭を悩ませるようになってきたらしい。

 昨年、IFAに出展し、欧州市場にカムバックを果たしたシャープからも、空気清浄機への反応が良いという声を聞いた。今年のシャープの出展では8Kテレビの次世代モデルや有機ELディスプレーが注目されたようだが、実はブースの一角には白物家電も展示されていた。中でもシャープ独自のプラズマクラスター空気清浄機には多くの引き合いがあったと広報担当者は話す。「欧州は空気が汚れていないというイメージがあるかもしれない。ドイツやフランスは確かにそうかもしれないが、中東欧では生活燃料に石炭を使う地域もある。待機中の微小粒子から自分の健康を守るための有効な対策として、空気清浄機にますます強い関心が向けられている」。

シャープが参考出品として展示したプラズマクラスター機能を搭載する空気清浄機。商談も好調だったそうだ
シャープが参考出品として展示したプラズマクラスター機能を搭載する空気清浄機。商談も好調だったそうだ
[画像のクリックで拡大表示]

 欧州の人々はいま「キレイな水」にも注目しているようだ。ミネラルウオーターといえばフランスのエビアン、ドイツのゲロルシュタイナーなど欧州発のブランドが日本でもよく飲まれているが、IFA NEXTに出展したベルリンのスタートアップ、mitte(ミッテ)は自宅でミネラルウォーターがつくれるスマートデバイスを開発中だ。

 展示されたプロトタイプは本体のタンクに入れた水を沸騰・ろ過した後、専用のミネラル成分をブレンドした交換カートリッジの中に水を通過させてミネラルウォーターをつくる。同社のスタッフによると「赤ちゃんでも飲めるカルシウムやマグネシウムを加えたソフトタイプや、20種類の成分をブレンドした高ミネラルタイプ、アルカリ性の強い水がつくれるタイプなど配合の異なるカートリッジを複数用意する予定」だという。1本のカートリッジで250リットル分のミネラルウオーターが作れるそうだ。ミネラルウオーターのレシピや効能をアプリで紹介したり、交換カートリッジをネットから簡単に購入できる仕組みを組み込んで、2019年に商品化を予定しているという。

自宅でミネラルウオーターが作れる、ベルリンのスタートアップmitteのミネラルウォーターサーバー
自宅でミネラルウオーターが作れる、ベルリンのスタートアップmitteのミネラルウォーターサーバー
[画像のクリックで拡大表示]
カートリッジの残量をチェックして、なくなったらアプリから素早く注文ができるようになる
カートリッジの残量をチェックして、なくなったらアプリから素早く注文ができるようになる
[画像のクリックで拡大表示]