ソニーらしいAIの活用法とは

 一つはグーグルの“スマートディスプレイ”が見当たらなかったこと。スマートディスプレーとは音声アシスタントを搭載し、音声で操作できるようにしたディスプレーのこと。ディスプレーが付いたスマートスピーカーと考えてもいい。

 グーグルが2018年1月に米国・ラスベガスで開催された「CES」でディスプレー付きスマートスピーカーを“スマートディスプレイ”として発表し、初期パートナーの名前にはソニーも挙がっていた。同様にパートナーとして挙げられていたレノボ、LGエレクトロニクス、JBLは既に製品としてのスマートスピーカーの開発を完了しているため、IFAではソニーの製品もあるかと期待したのだが、試作機の展示はなかった。日本では7月にAmazonがディスプレー付きのスマートスピーカー「Echo Spot」を発売し、スマートスピーカーへの注目度も復活しているだけに残念だ。

レノボにJBL、LGエレクトロニクスなど“初期パートナー”がGoogleスマートディスプレイを発表する中でソニーは秋も試作機の展示はなかった
レノボにJBL、LGエレクトロニクスなど“初期パートナー”がGoogleスマートディスプレイを発表する中でソニーは秋も試作機の展示はなかった
[画像のクリックで拡大表示]

 IFAの開催期間中に実施されたソニービデオ&サウンドプロダクツの高木一郎社長のグループインタビューで、高木社長にGoogleスマートディスプレイへの取り組みを聞いてみたが、「IFAで出していないものについて、なぜ発表がないのかを答えることはできない。開発中であるかどうかについてもコメントは控えたい」という回答を得るにとどまった。

 人工知能(AI)に関連するオーディオ・ビジュアル製品はかなり出そろってきたが、ソニーに限らずどのメーカーも、GoogleアシスタントやAmazon Alexaを“一機能”として組み込み、スピーカー本来の機能に奥行きを増す戦略が基本だ。

 ただ、それではAI関連の機能についてはどのメーカーの製品も得られる体験が基本的に同じになってしまい、ユーザーは付加価値を感じにくくなるだろう。ソニーは独自にAIやディープラーニング、センサーの開発ノウハウを持っており、欧州でも販売がスタートするペットロボット「aibo」のように他社にない方法でAIを使いこなしているメーカーだ。aiboの展示コーナーの盛況ぶりを目の当たりにすると、“ソニーらしい”スマートテレビやスマートディスプレー、さらには新しいAIを活用したオーディオ・ビジュアルの新カテゴリーの提案を見てみたいと思う。

いつ、どのタイミングでソニーブースを訪れてみても大盛況のaiboのコーナー。ソニーらしいAIの活用提案が多くの人々に響いている証拠
いつ、どのタイミングでソニーブースを訪れてみても大盛況のaiboのコーナー。ソニーらしいAIの活用提案が多くの人々に響いている証拠
[画像のクリックで拡大表示]