アニソンはハイレゾ用にリマスターし直すこだわりよう

――ハイレゾが聴きやすくなったタイミングで、アニソンの取り扱いが始まったわけですね。

祐成: それまでも、ハイレゾ関連のハードメーカーや評論家の方から「アニソンをやりましょうよ」という声はありましたが、僕らはクラシックやジャズなどを中心に扱っていたので、方向転換に不安があったんです。でも、実際に配信を開始すると、「待ってました!」という声が多かったです。そこからのアニソンの勢いは凄くて、曲のカタログ数に対する売り上げ比率が非常に高くなりました。

――アニソン配信で、これまでと異なるユーザーが増えましたか?

祐成: 平たくいえば、若くて知識がある人が増えました。当時はヘッドホンブームで、そこからハイレゾ対応の高音質なポータブルオーディオプレーヤーに興味を持つ人が増えていました。だから、ハイレゾ音源の再生方法や必要な機器を理解している人が多かったのですね。

――なぜ、ハイレゾでアニソンが支持を集めているのでしょう。

祐成: アニソンは各レーベルが音にこだわりを持ってるんですね。「ラブライブ!」の楽曲では、ランティス(アニメ・ゲーム・声優関連を中心とする音楽制作会社)のプロデューサーの佐藤純之介さんがハイレゾ用に音作りをされましたし、エヴァンゲリオンのサウンドトラックでは、音楽、作曲を担当された鷺巣詩郎さんの意向で、配信予定を延期してリマスターし直しています。2013年に24bitのハイレゾ環境で聴くには、今の時代の音を意識する必要があるということで。そうした作り手のこだわりをファンも分かっているのではないでしょうか。

2013年配信開始の『NEON GENESIS EVANGELION/エヴァンゲリオン・オリジナルサウンドトラック』。2004年にアナログのマスター音源をDVD-Audio(24bit/192kHz)向けにデジタル音源化していたが、2013年のハイレゾ音源の配信にあたって再度リマスターし直している
2013年配信開始の『NEON GENESIS EVANGELION/エヴァンゲリオン・オリジナルサウンドトラック』。2004年にアナログのマスター音源をDVD-Audio(24bit/192kHz)向けにデジタル音源化していたが、2013年のハイレゾ音源の配信にあたって再度リマスターし直している
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――こだわりが強いのは、昔ながらのファンと似た傾向ですね。

祐成: アニメをきっかけに入ってきた新しいオーディオファンは、一見、昔ながらのオーディオファンと違うように見えて、実はマインドが同じなんですね。今の人は、CDとハイレゾ音源を聴き比べて、音の違いをTwitterなどで熱心に語ります。これは昔ながらのファンが、電源ケーブルのレベルから音の違いを話していたのと同じじゃないのかなと思います(笑)。