広島の事業所がカープに貢献できる喜びで開発した

 funband カープモデルができたのは、シャープの事業所が広島にあるのがきっかけの1つだ。事業所には当然のようにカープファンが多く、開発にかかわったIoT通信事業本部IoTクラウド事業部サービスマーケティング部の和田山稔課長は、「皆、カープに貢献できるという喜びでいっぱいで、開発の苦労も苦にならなかった」と満面の笑みで話す。

 一般的にスポーツ関連の情報は、試合の展開や結果を客観的に淡々と伝えるものが多いが「funbandとそのアプリは超が付くカープびいき。球場に行けなくても、野球中継を見られなくてもファン同士がつながる道具になってほしい」(和田山課長)という思いで開発したそうだ。

 周囲の野球好きにこの話をしてみると、他球団のファンの中にも「欲しい」という人は多い。食いつきが良かったのは意外にも女性ファン。「友人と食事をしているときにも試合が気になる。スマホのスポーツニュースアプリなどでチェックするんだけれど、食事中にしょっちゅうスマホを見るのも友人に悪いから、もっとさりげなく知らせてくれるグッズがあればいいのに」(ドラゴンズファン)という。そこで、実際にカープファンに試してもらった。

広島県人は、野球に興味がなくてもカープファン

 今回協力してもらったカープファンは、広島県出身の30代女性。本人曰く「野球自体に興味はないが、カープファンにはならざるを得ない環境で育った」という。「実家の近くにある個人商店は、カープが勝った翌日はセールをしているから、幼いころから試合結果をチェックする習慣が付く。1991年にリーグ優勝して日本シリーズに進んだときは、第7戦までもつれてデーゲームになったんだけど、試合中継の時間が“体育の授業”扱いになった。欠席する生徒が増えることを危惧した学校が特別措置を取ったから」。広島では銀行の金利がカープの順位で決まるし、テレビのニュースは全国版から地方版に切り替わった途端、カープ情報、サンフレッチェ情報、広島出身の力士情報、地方政治と続くとも言っていた。なんかすごい。

カープの本拠地、	広島市民球場近くではローソンさえも赤いという
カープの本拠地、 広島市民球場近くではローソンさえも赤いという
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 ところが、彼女が大学進学を機に東京に出ると、東京ではカープの試合はほとんど中継されていなかった。それ以降、彼女の野球観戦ツールは、カープファンの友人のTwitter、スポーツニュースサイト「スポーツナビ」(ヤフー)の一球速報、そして家族からの実況メールだ。「家族のなかで最も熱狂的なカープファンだった祖母は、年に1回は球場へ足を運び、テレビで中継がないときはラジオで中継を聴いていた。私が東京ではカープの試合がなかなか中継されないと言うと、途中経過を携帯にメールしてくるようになった。祖母が亡くなった今は、母が後を継いでいる」という。

回を終えるごとに母親から送られてくるという実況メール。他人から見るとものすごく書き慣れていることに驚く
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 そんな彼女がfunbandを使ったら……次ページから体験記をご覧ください。