家電製品の保証書の管理アプリをスマートフォン向けに開発するWarrantee(大阪市中央区)は2017年9月13日から、家電製品向け保険サービス「Warrantee Now」の提供を始める。スマートフォン向けアプリからいつでも好きな時に、オンデマンドで加入・解約できる。旅先でデジタルカメラが故障してしまった場合などに有効な保険で、必要な期間だけ加入できるのが特徴だ。保険に加入している製品であれば過失によって破損したり、紛失したりしたときに、無償で修理、または同じ製品を受け取れる。

 東京海上日動火災保険や三井住友海上など、大手保険会社4社が引受保険会社となり、加入期間は24時間単位から設定できる。保険料はデジタル一眼レフカメラやスマホといったデジタル家電は39円から加入できる。また、テレビや電子レンジといった生活家電でも19円から加入可能だ。こちらは「Airbnb」などの民泊サービスの利用者が自宅を貸し出す際に加入したり、メーカー保証期間が切れた後に長期加入したりするといった用途を想定している。サービス開始当初は破損や水濡れに対応しており、近日中に紛失や盗難にも対応する。サービス開始から1年間で10万件の契約を目指す。

スマホアプリ「Warrantee Now」のトップ画面
スマホアプリ「Warrantee Now」のトップ画面
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 「Instagram」など、ビジュアル重視のSNSの流行により、写真を撮影する人口は急拡大している。アウトドアなどのレジャーを楽しむ際に、カメラやスマホで写真を撮影する人も多い。一方で、野外でデジタル家電を利用する場合には、破損のリスクと隣り合わせだ。うっかりスマートフォンを落として画面が割れてしまった。野外イベントで急な雨に降られて水に濡れたせいでデジカメが故障してしまった。このような経験を持つ読者も少なくないのではなかろうか。しかし、所有者の過失による破損や紛失の場合、たとえメーカー保証期間内であっても保証の対象外となり有償の修理になってしまうことが多い。

 Warrantee Nowは、主にこうした野外でデジタル家電を利用する際の不安を解消するために開発された。同社は以前から、アプリで家電製品の保証書を管理するサービスを提供してきた。スマホで製品の保証書、またはバーコードを撮影するだけで、アプリ上で保証書を管理できるほか、登録した製品の修理の依頼や中古査定などもできる。このサービスの利用者から「メーカー保証期間内であっても、水濡れや紛失、盗難に対応した保険サービスが求められていた」とWarranteeの庄野裕介社長は開発背景を説明する。そこで、従来提供してきた保証書の管理サービスの延長線として、保険サービスの開発を決めた。

■変更履歴
初出では、「旅先でデジタルカメラを紛失してしまった場合などに有効な保険で…」とありましたが、「旅先でデジタルカメラを故障してしまった場合などに有効な保険で…」に変更しました。紛失や盗難については、近日中の対応予定となっているためです。

スマホアプリから加入できる

 保険には、専用のスマホアプリから加入する。アプリからキーワード検索やカテゴリー検索で、保険をかける対象製品を選ぶか、製品のバーコードを読み込む。対象製品が決まったら、次に所有する製品の写真を撮影して、保険をかける期間を設定する。後は加入ボタンを横にスライドするだけで完了だ。

対象製品やプランを決定後、自身の製品写真を撮影して加入する
対象製品やプランを決定後、自身の製品写真を撮影して加入する
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「マイページ」では加入中の保険や加入履歴を確認できる
「マイページ」では加入中の保険や加入履歴を確認できる
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 気になるのは、自分の所有する製品が保険の対象になるかどうかだろう。これについて庄野氏は「世の中で販売されている、大半の製品が保険の対象となる」と説明する。Warranteeは保証書の管理サービスを提供するために「3年半をかけて、メーカーと関係性を築いてきた」(庄野氏)。こうした下地があって、100社を超えるメーカーから、過去に発売した製品のデータベースを共有してもらえている。アプリに登録されている製品数は65万件を超える。これらのうち、10年以内に発売された製品であればすべて対象になる。よほどマニアックなメーカーでない限りは対象外にはならなそうだ。

 Warranteeは今後、保険の対象を自動車や自転車にも広げる方針だ。都心では自動車の保有率が下がり、一方でレンタカーやCtoC(消費者間)で自動車を貸し借りするカーシェアリングサービスなどへの需要が高まっている。今後、CtoCのカーシェアリングサービス市場がさらに加熱すれば、自動車を借りる際に1日単位で自動車保険に加入したいといったニーズの拡大も予測される。また、自動車の保有者であっても、週末しか乗らない場合には、年間で保険を契約するのではなく、乗車するときだけ保険に加入するという需要も考えられる。シェアリングエコノミーの拡大をチャンスと捉えて、ニーズに応えられるように開発を進める。

(文/中村勇介=日経トレンディネット)

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