チームラボが子どもたちがハマる難易度を追求

チームラボCatalystTeam・Catalystの齊藤暢儀(のぶよし)氏
チームラボCatalystTeam・Catalystの齊藤暢儀(のぶよし)氏
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 モビルモの企画が立ち上がったのは2016年春。チームラボの参画はそこから間を置かずに決まった。「新しいものを生み出す人材と組織を持っている」こと、関連会社のチームラボキッズが知育施設の企画・運営をしていることなどから、同社に声をかけたという。チームラボからはこの企画に約30人が携わった。

 トヨタからチームラボへ伝えられた方針は、「子どもたちの夢をデジタルで形にして動かしたりできるものという大まかなもので、制約は少なかった」とチームラボで開発を担当したCatalystTeam・Catalystの齊藤暢儀(のぶよし)氏は振り返る。「(チームラボとしては)提案段階で、もっと自動車に寄せた企画も出したが、トヨタ側から『クルマでなくて構わない、四輪にこだわる必要はない』と枠を外された。そういうケースはまれなので驚いた」(齊藤氏)。

 チームラボが出したいくつかの提案の中から、トヨタが選んだのが「Move(動かす!)」「Build(自由自在に作る!)」「More(もっと出会う!)」をテーマにしたモビルモだった。100種類以上ある3Dパーツを組み合わせて、自分だけの移動体「モビルモ」を形成し、プログラミングによって動きを覚えさせられる。さらに、自作のモビルモをアップロードしてアプリ内の仮想の惑星を探索したり、他のユーザーのモビルモと出会うと、機能をコピーし合ったり、その機能をリメイクしたりすることも可能だ。

最初はチュートリアルでキャラクターが操作方法を教えてくれる。タッチすべきところが光るなど、直感的に操作できるように工夫した
最初はチュートリアルでキャラクターが操作方法を教えてくれる。タッチすべきところが光るなど、直感的に操作できるように工夫した
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パーツ同士を接続できる場所は「+」マークで表示。画面を指でなぞって線でつなぐとパーツを接続できる
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「X」「Y」「A」「B」の書くボタンに動作を割り当てる
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 チームラボがこだわったのは、難易度。一般的なゲームアプリでは、導入部では難度を下げて親しみやすくし、徐々に難度を上げていくが「アプリでできることを早い段階で網羅してしまうと、ユーザーはすぐに飽きて離れていってしまう。Build(モビルモを作る)とMove(モビルモを動かす)の工程を試行錯誤して楽しんでもらえるように、ハードルを下げ過ぎないようにした」(齊藤氏)。一方で、モビルモの動きは自由度を優先。当初は実際の物理挙動に沿ったものを考えていたが、「それだと物理的な挙動に詳しい子しか作れなくなる。最終的には、物理演算を用いながらも、工学や物理学上の制約を外す方向に修正した」。