売り上げの約半分が利益に

 さまざまなチャレンジは、人件費や光熱費などをどのくらいカットできたのだろうか。

 オープン当初は72室に対しておよそ30人のスタッフがいたが、ロボットの導入や効率化を推し進めた結果、現在は144室に対してわずか7人のスタッフで済んでいる。光熱費は、部屋数が同じ他のホテルの2/3程度に抑えられているという。

 ロボットが話題になって人気を呼んだことから、現時点でも稼働率は高く、利益率も高い。

 「初年度から利益が出ています。現在は売り上げの約半分が利益になっています。一般のホテルでは考えられない利益率でしょう」(大江氏)。

 ロボットはあくまで効率化のために導入したものだったので、当初はロボットホテルとして人気が出たことに驚いたという。

 「ロボットホテルではなくローコストホテルなどと呼ばれていたら、これほど稼働率は高くならなかったでしょう。最初は戸惑いましたが、それで人気が出たのですから結果的にはありがたいと思っています」(大江氏)。

 ただ、すべてがロボットに置き換えられるわけではない。窓や廊下など共用部分の掃除はロボット化しているが、デリケートさが要求される客室内の掃除、ベッドメイキング、トイレや風呂掃除などは従業員が担当している。

海外にも展開

 ハウステンボスは、2017年3月に「変なホテル 舞浜 東京ベイ」(千葉県浦安市)、2017年8月1日には「変なホテル ラグーナテンボス」(愛知県蒲郡市)をオープンした。「変なホテル」のチェーン展開を着実に進めている。来年後半には中国の上海でも開業する予定だ。

 大江氏はアドバイザーとして、各地とハウステンボスを行き来する忙しい日々を送っている。「変なホテル」のチェーン展開がうまいくかは、大江氏がホテルの運営ノウハウをどれだけ共有させられるかにかかっていると言えそうだ。

 「ここ(ハウステンボスの『変なホテル』)でのチャレンジをベースとして、その経験を各地に持っていく形で展開していきます。これからも『変なホテル』は、どんどん変わっていきます。フロントのシステムも、この秋にはさらに未来感のあるものにバージョンアップする予定です」と大江氏。

 長崎での成功体験を東京や上海でも再現できるか、「変なホテル」の未来から目が離せない。

(文/湯浅英夫=IT・家電ライター)

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