テレビも内線電話も置かなかった

 光熱費の削減ではやはり冷暖房の仕組みを見直した。上から水を流す「輻射パネル」と呼ぶ装置を、日本のホテルとしては初めて導入。電気代はエアコンの1/3で済むという。音もエアコンより静かだ。「変なホテル」のロビーには、エアコンはないが真夏でも涼しい。

 フロント、冷暖房と着実に効率化とコスト削減を進めてきた「変なホテル」だが、なかには失敗したチャレンジもある。

 例えば、客室のテレビ。オープン当初は客室にテレビを置かなかった。電気代とテレビの機器代が抑えられるし、ハウステンボスで一日中楽しもうとやってきた宿泊客は、ホテルのテレビのことは気にしないだろうと考えたのだという。とはいえ、客室でテレビが全く見られないのは問題なので、客室に設置したタブレット端末で館内無線LANを使ったストリーミングでテレビを見れるようにした。

 しかし、「テレビがないなんて考えられない」といった厳しいクレームが相次ぎ、後からテレビを設置することになったという。タブレットでのテレビ視聴では画面が小さく家族で見られないことなどから、客室用テレビの代わりにはならなかった。

各部屋にタブレットが設置され、館内情報を見たりインターネットを利用したりできる
各部屋にタブレットが設置され、館内情報を見たりインターネットを利用したりできる
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 内線電話をSkypeにする目論見も失敗に終わっている。電話代、電話の機器の代金を抑えられると考えたからだが、通話中に突然切れるなどのトラブブルが頻発し、上手くいかなかった。部屋の照明のオン・オフができるようにするなど1台のタブレットに機能を集約しすぎた結果、処理性能が追いつかなくなってしまったのだという。結果的にSkypeは廃止した。

 現在、変なホテルの客室はオープン当初からのA~C棟72室と、増備したD~F棟72室の計144室あるが、A~C棟の客室には電話はなく、必要な場合は宿泊客に自分の携帯電話でかけてもらうようになっている。

オープンから半年後に増設したD~F棟。こちらには最初から内線電話を用意している
オープンから半年後に増設したD~F棟。こちらには最初から内線電話を用意している
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