ネットワークで世界につなげたい

 バンダイナムコエンターテインメントはナムコと共同で、VRアトラクションを体験できる店舗「VR ZONE Portal」を国内外に展開する予定だ。すでに英国ロンドンと神戸に展開することが決まっている。

「その中でも、VR ZONE SHINJUKUはフラッグシップ店舗という位置づけです。ここで新しいVRアトラクションを設置してお客さんの反応を見て調整などを行い、それをVR ZONE Portalに展開していく形になります。“ポータル”と名付けたのは、ロンドンや神戸などの都市からネットワークで新宿にあるVR ZONE SHINJUKUとつながって、一緒に遊べるようにできたらという願いがあるからです」(小山氏)

 前述の釣りVRはそうしたネットワークを使った展開に向いていそうなアトラクションだ。ニジマスを釣るルアーフィッシングは世界中で行われていて、潜在的な利用者が世界中にいる。ネットワーク対戦に対応すれば世界的な釣りの対戦ゲームに発展する可能性がある。

VRとARが合体したMRがすぐに来る

 VR ZONE SHINJUKUでは、VRアトラクションのオペレーションを担当する多数のスタッフが働いている。VRのマシン2~3台につき担当者を1人つける必要があり、全体で230~240名ぐらい雇用している。VR用のHMD(ヘッドマウントディスプレー)の装着やケーブルの取扱いにサポートが必要だからだ。今後はもっと装着しやすくする、ワイヤレスにしてケーブルをなくすなどの改良が課題だ。ただ、小山氏が見ているのはさらなる進化だ。

「今のVR用HMDは外が見えません。しかしVRとAR(Augmented Reality、拡張現実)が合体したMR(Mixed Reality、複合現実)がすぐにやってきます。MR用の外が透けて見えるHMDを装着してプレーするようになるかもしれません。そうなったら施設の入り口でHMDを渡して装着してもらい、あとは自由に遊んでもらうことだってできる。VRの形はどんどん変わりますよ」(小山氏)

VRの先を語る小山氏
VRの先を語る小山氏
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 たとえば入り口で外が見えるHMDを受け取って装着して、釣りのVRアトラクションの場所に近づいたら、湖や渓流のグラフィックスが自動的に表示されてその世界にシームレスに入っていける、そうした未来が来るとしたら、アミューズメント施設の形は大きく変わりそうだ。

(文/湯浅英夫=IT・家電ライター)