原作にない部分まで作り込む

 VR ZONEのキャッチフレーズは「さあ、取り乱せ。」。VRのエンターテインメントを作るときに心掛けたのは、驚いて取り乱すほどVRをストレートに味わってもらうことだという。そのために重視したのが、利用者がVRの世界に入ったときの「リアリティー」だ。

 「ドラゴンボール」や「エヴァンゲリオン」など、人気IPを使ったコンテンツ開発では、原作であるアニメーションの制作スタッフが考えていなかったような細部まで作り込んでいるという。

 アニメは映像としての面白さが優先されるので、たとえばロボット物なら操縦者の動きとロボットの動きのつながりなどで辻つまが合わないところが出てくる。しかしVRでは操縦するのは現実にいる人間だ。しかも周囲を360度見渡せてしまう。アニメでは描かれていない、設定されていないような部分でも“ここはこうなっているのだろう”と、現実的な解釈をして辻つまを合わせなければならない。

「ボトムズの開発のとき、原作である『装甲騎兵ボトムズ』でメカニックデザインを担当した大河原邦男さんや、監督の高橋良輔さんなど関係者の方々に見てもらったんです。すると『この部分はこうなっていたのか!』と驚いて喜んでもらえたんです。原作者に当たる人たちがそうやって喜んでくれるなら、おそらくファンも喜んでくれる。アニメやこれまでのアトラクションではできなかった表現がVRならできると実感しました。VR ZONE SHINJUKUでは、そういったことをやっていこうと決めたんです」(小山氏)

バンダイナムコエンターテインメント AM事業部エグゼクティブプロデューサーの小山順一朗氏。通称“コヤ所長
バンダイナムコエンターテインメント AM事業部エグゼクティブプロデューサーの小山順一朗氏。通称“コヤ所長
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