カオスこそがVRChatの醍醐味

 現時点でのVRChatはおそろしくカオスな空間だ。だが、それが魅力である。とはいえ、法が整備されていないこと、加えて無限大ともいえるシステムの自由度の高さが要因となり、混沌とした状態は進行している。これがさまざまな問題の引き金になっているのだ。

 まず、著作権を侵害していそうなアバターが多く存在する。ワールドを渡り歩いていると、日本の人気アニメ・ゲームのキャラクターの姿をしたアバターに数多く遭遇した。その一方で規約違反のアバターを取り締まる「アバター警察」なるユーザーたちが、自主的に活動しているようだ。やはり人間味のある世界だと感じる。

 またVRChat内では、ユーザー同士が付き合っている証として、指輪をはめているアバターも存在する。その中にはVRChat内で結婚式を挙げる、いわゆる「VRChat結婚」をするユーザーもいるようだ。オンライン上で結婚する例はさまざまなゲームで起こる現象だが、VRChatでは関係がより深いように思える。

 なお、前述した通りアバターは身振り手振りに対応している。その利点を生かしてか、イチャつくユーザーもワールド内では散見された。その横にはアバターを取り締まる警察もいて、しみじみカオスな空間だと感じた。

 VRChatは1つの社会というより、小さい地球だと感じた。世界のたくさんの国の人が存在し、現代社会と同じように、商品の販売によってお金を得る手段もあったり、結婚もあったりする。そして筆者は遭遇しなかったが、中には人種差別、セクハラも見受けられるようだ。

 ユーザーの中にはマナーや良識が備わっていない者もいるが、どちらかというとそれらは少数派で、親切なユーザーが多い印象だ。事実、今回の記事は多くのユーザーからの取材によって得られた情報も多い。彼らにVRChatの楽しさを聞くと、「人とコミュニケーションすること、そしてカオスな空間も含めて楽しい」という。

 VRChatで起こるカオスな出来事やコミュニケーション。まだ混沌がつづいているうちに、ぜひ味わってほしい。

アバター警察・VR結婚… VRChatの「カオス」な楽しさ(画像)
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(文/田中一成)