記事に接触した直後にアンケート

 最初に一番搾りのブランドサイトにツールを導入した理由は、データとコンテンツの豊富さにある。キリンは47都道府県ごとに異なるコンセプト、味を持つ「47都道府県の一番搾り」を展開しており、各都道府県ごとの商品を紹介するページや、「一番PRESS」と称したビールをより楽しむための情報を提供するページなどを用意しており、情報コンテンツを随時、投下している。メガブランドゆえにサイト訪問者も多く、データがためやすい。

「一番搾り」のブランドサイトには「一番PRESS」など情報コンテンツが多い
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記事の閲覧直後にアンケートを表示する
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 こうした理由から、「(一番搾りのブランドサイトは)データに基づいて、コンテンツなどを改修するといったPDCAを回しやすいと判断した」(宮入氏)。具体的には一番搾りのサイト上にある記事を閲覧した直後にアンケートを実施して、記事の評価をしてもらう。

 「従来は、Webサイト上のどのタッチポイントが態度変容に影響を与えたのか分析することは難しかった。記事の閲覧直後にアンケートを実施することで、どの記事がブランドへの好意度向上に寄与したのかといった評価をより細かく分析する」(宮入氏)。こうして一番搾りのサイト訪問者の分析を皮切りに、徐々に他のブランドへと、導入先を増やしていく。

 その次の段階では、Web接客ツールを活用したマーケティング施策に取り組んでいく。段階的に施策を進める理由について宮入氏はこう説明する。「導入直後からポップアップで情報を出しすぎると、訪問者のサイト閲覧を阻害することになる。データをためて、適切な情報を出せるようにすべきだ」。

 具体的には一番搾りのサイト上で製法に関するコンテンツを高く評価した人には、ポップアップの画像でクラフトビールのサイトに誘導する。また、既に一部ではテスト的に実施しているが、訪問者の嗜好性に合わせてDRINXで使えるクーポンを配信する。

 今後は、DRINXで取り扱いの多いワインやクラフトビールといった嗜好性の高い商品のサイトの訪問者にもクーポンを配信して、購入に結びつけるなど、収益向上につなげる施策にも取り組んでいく計画だ。

(文/中村勇介=日経トレンディネット)