所有するバッグもシェアする時代に

 ラクサスが画期的な理由がもうひとつある。前述のように、2017年1月から会員のバッグを預かって別の会員に貸す個人間(CtoC)サービス「ラクサスエックス」を開始したのだ。実は「もともとCtoCの構想はあったが、まずはお客様に来ていただかないことには、ということで、私たち企業が各会員にバッグを貸すBtoCからスタートした経緯がある」と馬場添氏は説明する。また、ラクサスの認知が上がってくるにつれ、貸し出すバッグの在庫が足りなくなってきたことも、会員同士のバッグシェアを始める後押しとなった。

ユーザー同士のバッグのシェアリング「ラクサスエックス」は、2017年1月よりサービスを開始
ユーザー同士のバッグのシェアリング「ラクサスエックス」は、2017年1月よりサービスを開始
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 馬場添氏によると、日本には、使用していないブランドバッグが大量に眠っているという。ラクサス・テクノロジーズはこうしたバッグを「埋蔵バッグ」と呼ぶ。今年5月、同社が20~50代の女性を対象に「日本に眠るバッグに関する意識調査」を実施したところ、埋蔵バッグの総額は推定3兆7956億円にも上ることが明らかになった。特に男性からプレゼントされたバッグのうち4割は使用されていないという。一方で、使わないバッグがあっても、捨てるに捨てられない女性が多かった。

 また、1年以内にブランドバッグを購入した人は全体のわずか1割強しかいないことも分かった。女性はブランドバッグを買わなくなっているのだ。だからといって興味がないわけではないから、シェアリングが支持される。

 実際、「ラクサスエックス」には、サービス開始後3カ月で9000個ものバッグが届いたという。バッグを預けるためには、アプリから無料の宅配キットを申し込み、届いた箱にバッグを入れて送るだけでOKという手軽さも功を奏したのだろう。

預けたいバッグの写真をアプリで撮影して送信し、送られてきた集荷用の箱に入れて送りかえせばいい。貸出用として在庫入りしたバッグは、メンテナンスされ適温で保管されるため、自宅に“埋蔵”しておくよりも安心
預けたいバッグの写真をアプリで撮影して送信し、送られてきた集荷用の箱に入れて送りかえせばいい。貸出用として在庫入りしたバッグは、メンテナンスされ適温で保管されるため、自宅に“埋蔵”しておくよりも安心
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 会員から届いたバッグの中にはもちろん、状態が悪いなどの理由で受け入れ不可となるバッグもある。また、なかなか借り手がつかないこともあるだろう。しかし、貸出用として在庫入りしたバッグは、ラクサス・テクノロジーズの専門技術を持ったスタッフによってきれいにメンテナンスされ、適温で保管されるため、預けるだけでもメリットがある。

 「借り手がついた場合は、1日につき66円、1カ月で2000円弱が預けた人の収入となる。ブランドバッグが本物かどうか見分けるための研修も社内で実施しており、偽物は排除している」(馬場添氏)。