AIを使ってバッグとの出会いを作る

 数あるバッグの中から、会員が好みのバッグに出合いやすくするための工夫も随所に施されている。その1つがAI(人工知能)による提案だ。会員全体の貸し出し実績や個別の会員の貸し出し履歴を分析して、好まれそうなバッグを割り出す。

 AIを活用した提案方法は2種類ある。1つ目は心理テスト風のバッグ診断。「朝日より夕日が好き」「風景の写真を撮るのが好き」などの質問に答えると、お薦めのバッグ一覧が表示される。回答の結果と、そうした回答を選んだ会員が好むバッグの傾向をマッチングして、バッグを提案するわけだ。筆者もやってみたところ、確かに表示されたバッグに苦手なデザインの物はなかった。ちなみに、夕日より朝日が好きな人にはシャネル好きが多いというのは、なんとなく分かる気がする。

心理テストには、一見ファッションと関係ないように思える質問もある
心理テストには、一見ファッションと関係ないように思える質問もある
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心理テストにはファッションの好みからユーザーの好みを判断する質問も
心理テストにはファッションの好みからユーザーの好みを判断する質問も
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 2つ目の提案方法は、各会員が借りたバッグやお気に入りに登録したバッグ、閲覧履歴などからブランドの嗜好性を判断する。このブランドを好きな人は、このブランドも好きだろうと予測するわけだ。馬場添氏によると、「ミュウミュウとバレンシアガが好きな人にはプラダをリコメンドすると、もう1カ月借りてもらえる。グッチばかり借りる人にはシャネルが表示されないようにし、ノイズを減らすことでユーザーのストレスを軽減している」とのこと。

 この施策には、ファッションに興味が強い筆者も、「正解!」と頷くほかない。好みのバッグとなかなか出合えないと、「もうやめようかな」と意欲が減退するし、ときめく対象に頻繁に出合えれば続けたくなる。婚活サイトなどにも通ずる心理であり、真理だと思う。

 興味深いのは、こうしたAIを活用したシステム構築も、バッグを使ったコーディネートの考案も、ラクサスでは全て社内で手がけていること。「外部に出すと時間もお金もかかってしまう。内部で行うことに意義を感じている」(馬場添氏)。