この記事は「日経PC21」2017年8月号(2015年6月24日発売)から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

 スリープテックを開発するスタートアップ企業が目立ってきた。「スリープテック」とは、睡眠を誘うテクノロジーのこと。従来から睡眠をモニターするウェアラブル機器などがあるにはあったが、今そうした企業が目指すのは、さらにその先を行くテクノロジーだ。

 例えば、「Sense(センス)」は睡眠モニター(図1)。ベッドの近くに設置する小さな球体状のセンサーと、枕に取り付けるバッジとを組み合わせて利用する。センサーは寝室の環境(温度、周辺光、湿度、空気の質など)の計測器も兼ね、バッジは睡眠中のユーザーの動きを計測する。音声で操作できるのが特徴で、環境への評価や睡眠の質を尋ねたり、目覚まし時計を設定したりできる。外からの音を遮るためにホワイトノイズを発するなど、睡眠をサポートする機能も備えており、より質の高い睡眠を目指すユーザーを手助けする。

図1 「センス」は、ユーザーや環境をモニターし、睡眠に最適な環境を作る手助けをする。眠りを妨げる雑音を遮る音を出したり、眠りの質を評価したりできる
図1 「センス」は、ユーザーや環境をモニターし、睡眠に最適な環境を作る手助けをする。眠りを妨げる雑音を遮る音を出したり、眠りの質を評価したりできる
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 「Sana(サナ)」はいわば“スマート睡眠マスク”だ(図2)。このマスクは、自動車事故で脊髄に障害を負った創業者が、痛みで不眠症に陥ったことが開発のきっかけとなったという。サナを装着すると、眠りを誘発する光と音による刺激が加えられる。これにより8~10分で眠りに落ちるという。こめかみに心拍数の変動を感知するセンサーがあり、ユーザーの状態の変化に合わせて刺激が調整される。

図2 不眠症になった創業者が開発した「サナ」は、目をつぶって装着すると、眠りに導く光と音で、快適な睡眠に誘ってくれる
図2 不眠症になった創業者が開発した「サナ」は、目をつぶって装着すると、眠りに導く光と音で、快適な睡眠に誘ってくれる
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マインドフルネスのレッスン用アプリも

 「心のエクササイズ」ともいわれる“マインドフルネス”を促進するアプリが「Head -space(ヘッドスペース)」だ(図3)。ユーザー登録後、アプリのスタートボタンを押すと、「目を閉じて、深く息を吸って……」というインストラクターの声が聞こえる。まるで瞑想(めいそう)の個人レッスンを受けているかのようで、やがて瞑想をマスターできる仕組みになっている。

図3 誰でも瞑想できるようにレクチャーしてくれるスマホアプリ「ヘッドスペース」。自力で心を落ち着かせる方法を身に付けたい人に向く
図3 誰でも瞑想できるようにレクチャーしてくれるスマホアプリ「ヘッドスペース」。自力で心を落ち着かせる方法を身に付けたい人に向く
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 現代は、テクノロジーの刺激により眠れなくなっている人が多いという。そんな人々を、やはりテクノロジーが助けてくれるというわけだ。

(文/瀧口範子=米国在住)