性能では勝負しない

 ビッグクラッピーの機能はシンプルかつ必要最小限なものに絞った。カスタムプログラミングが可能になるなど高性能な先端ロボットのPepperと、拍手して声掛けするだけのビッグクラッピーとでは、おのずと目指す方向性が異なってくる。高橋社長は自分たちでロボットを作ることを考えたとき、「なんでもできる」Pepperを追いかけるのではなく、「それしかできない」シンプルな機能のロボットに行き着いたという。

 「ロボットに複雑なことをやらせるのは、長期的なビジョンを考慮しながら随時アップデートしていく必要があるので小さな企業では難しい。ビッグクラッピーはAI(人工知能)もないし最先端でもない。勝手におしゃべりするだけで、会話もできない。でも、愛すべきキャラクターであれば、人の心も動かせるということを見せたかった」(高橋社長)

 性能で勝負しない分、エンタメ性とキャラクター設定にはこだわった。Pepperでキャラクターの重要性を理解した高橋社長は、ビッグクラッピーにも強烈なキャラクター性を持たせることにした。それは「未来から来た最先端ロボットで、ユーモアがありながらも丁寧で正直者のPepperとは正反対。盛り上げるためのノリ優先のロボットという設定で、ユルくて気の抜けたひょうきんなキャラ」(高橋社長)だった。

   真っ赤なボディーにギョロリとした大きな目、太いタラコ唇。何ともとぼけた……いや、愛らしいルックスで、いかにもすごいことなどできなさそうだ。「むしろすごいことができないロボットであることを伝えたかった。拍手と声掛けの特徴を前面に出し、シンプルかつ大胆に表現した。ポストのように目立つ存在になってほしいので、基本カラーは赤」(高橋社長)。

 シーンに応じて発する500種類以上のセリフはすべて高橋社長が吹き込んだ。コミカルな声で力の抜けた話し方、声掛けだけでなく周りに人が来ないと「あ~ヒマ」と独りごつなど、自由奔放なイメージを大切にしている。

後ろのツマミでボリューム調節もできる。シーン変更は隣のボタンで
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