目が不自由な人に届けるため、周りから攻める

 オトバンクは2004年12月、目の不自由な人に貢献することを目的に会社を設立、2007年にFeBeを立ち上げた。しかし、FeBeは目が不自由な人を主なターゲットにはしていない。「目の不自由な人は、そうでない人に比べて情報をキャッチしにくい傾向がある。目の不自由な人にサービスを届けたければ、まず周りの人や家族にサービスを知ってもらうことが重要」(上田氏)との考えからだ。

 サービス開始から約10年。先述のようにユーザー層を拡大することに成功し、「今では目の不自由な人にも少しずつ利用してもらえるようになってきた」(上田氏)。FeBeのサイトはユーザビリティーテストをクリアしており、目の不自由な人も音声ブラウザーを使ってオーディオブックを買うことが可能だ。

 オトバンクはAmazonのオーディオブック配信サービス「Audible (オーディブル)」にも一部コンテンツを提供している。オトバンクが最終的に目指すのは、文化的なインフラとしてのオーディオブック。上田氏は「日本中の人に、いつでも誰でもどこでも使ってもらえるようにしたい。知らない人がいないサービスに育てていけたら」と目標を掲げる。競合サービスについても「競合ではなく協働の感覚。小さな市場を取り合うのではなく、一緒に市場を拡大していきたい」との考えだ。

(文/赤坂麻実)