必要なときだけ装着して機能拡張する「Moto Mods」

 シャープがスマートフォンの新しいフラッグシップモデル「AQUOS R」を発表した際、同時に発表した充電ドック「ロボクル(ROBOQUL)」も、Samsung DeXに近い取り組みだといえる。ロボクルは、AQUOS Rを設置することで、スマートフォンをコミュニケーションロボットのように活用できる。

 同社のスマートフォンには、人口知能を活用した音声アシスタント「エモパー」が以前より搭載されている。通勤時に天気を教えてくれたり、休日は近隣のイベントなどを紹介してくれるのだが、利用するにはスマートフォンを手元に置いておく必要がある。自宅にいてもスマートフォンを持ち続ける必要があり、家族との会話の妨げにもなりかねないのだ。

 AQUOS Rをロボクルに載せると、AQUOS Rに動きが加わる。カメラを使って利用者を認識して振り向いたり、声をかけた人のほうを向いたりする。あたかもAQUOS Rがエモパーを搭載したコミュニケーションロボットのように振る舞う。ロボクルがあることで、自宅にいるときはスマートフォンを持ち歩く必要がなくなり、家族とのコミュニケーションを大切にしながら、エモパーを活用できるようになるのだ。

シャープが新スマートフォン「AQUOS R」の周辺機器として投入する「ロボクル」。利用者を認識して振り向くなど、エモパーをよりロボット的に活用できる
シャープが新スマートフォン「AQUOS R」の周辺機器として投入する「ロボクル」。利用者を認識して振り向くなど、エモパーをよりロボット的に活用できる
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 さらに“合体”の度合いを高めた取り組みとして挙げられるのが、2016年に発売されたモトローラ・モビリティの「Moto Z」「Moto Z Play」である。これは同社のフラッグシップのスマートフォンで、Moto Zは、5.2mmという驚異的な薄さを誇ることが話題になったが、それよりも一層注目されたのが「Moto Mods」の存在だった。

 Moto Modsとは、Moto Z/Z Playに装着する専用のモジュールのこと。これを背面に装着することで、スマートフォンをカメラやプロジェクター、スピーカーなどとして活用できるなど、スマートフォンの使い勝手を大きく変えられるのだ。

ロボットやPCに変身!?スマホ進化のカギを握る“合体”(画像)
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ロボットやPCに変身!?スマホ進化のカギを握る“合体”(画像)
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「Moto Z/Z Play」は、背面に専用のモジュール「Moto Mods」を装着することで、必要に応じてスマートフォンにカメラやプロジェクターなどの機能を拡張できる。左がプロジェクターで、右がカメラ

 しかもMoto Modsは、電源を入れた状態でも装着したり脱着したりできるので、手軽に利用できる。使いたいときだけMoto Modsを装着し、そうでないときはMoto Modsを外して通常のスマートフォンとして利用すればよく、無理なく機能拡張できる使い勝手を備えている。

 iPhoneの登場から約10年が経過しているだけに、既に多くのユーザーが現在のスマートフォンのスタイルに慣れてしまっている。それゆえメーカーなどが新しいスタイルのスマートフォンを実現するべく、機能や形状を大きく変えたものを投入しても、ユーザー側に受け入れてもらうのは難しくなっているのは確かだ。

 だがスマートフォン自体の姿は大きく変えず、周辺機器とセットで活用することで、新たな価値を生み出すという方法であれば、スマートフォンになじんでいる人たちにとっても比較的受け入れやすいだろう。それだけに、周辺機器との“合体”にスマートフォンの進化を見出すというのは、ある意味自然な流れだともいえる。