事故は?傷は? トラブルは1日保険と独自システムで防ぐ

 運用面でのルールは十分検討されているとはいえ、個人間でクルマを貸し借りするというと、事故や故障、傷を付けた場合などの対応に不安を感じる人も多いはずだ。Anycaではトラブルを防ぐため、さまざまなシステムを導入した。

 まずは1日限定の自動車保険だ。ドライバーはカーシェア開始日時から24時間あたり1800円の1日自動車保険(車両保証付きプラン)に加入することになっている。万一の加入漏れを防ぐため、アプリなどでクルマを予約する過程で自動的に手続きできるようにした。

 やっかいなのは、保険の対象にならない程度の傷などを付けた場合だ。これには、オーナーとドライバーがAnycaのアプリ上で交渉できるシステムと、認定工場を用意した。

 クルマを貸し出す前にオーナーが既にある傷などをアプリに登録しておき、ドライバーと確認。ドライバーが乗車中に新たな傷を付けてしまったら、Anycaのアプリから状況を報告する。オーナーが内容を確認し、修理を承認すると、Anycaの認定工場が見積もりを作成。双方の了解が得られれば修理をし、修理代金をドライバーに請求する。この過程では、オーナー、ドライバーとも、Anycaのサポートセンターに随時相談もできる。

 「傷や故障で一番もめやすいのはどこで修理するか。オーナーは高くてもディーラーを希望し、ドライバーは修理費を抑えられる修理工場を希望する傾向がある。そもそも普段クルマに乗らない人はどこで修理すればいいのかもわからない。だからこそ認定工場制度を作った」と大見氏。技術力が高い工場をAnycaで探して認定工場として業務提携し、再修理保証やクルマのピックアップ、代車の用意といったサービスも充実させることで、修理費を抑えつつ、オーナーの承諾を得やすい品質を担保できるようにしたという。

 「ただ、一番大事なのはトラブルが起きないようにすること。そのため、会員同士が納得して貸し借りできる仕組みも充実させた」(大見氏)。オーナーがアプリなどで貸し出すクルマを登録するときには、ガソリン料金の負担やペット乗車の可否、走行距離の制限といった使用条件を細かく設定する画面を用意。傷や故障時には認定工場ではなく決まった工場で直してほしいなどの要望があるときは、あらかじめクルマのプロフィールページに記載するように伝えているという。

オーナー向けの登録ページ。アプリの記入欄の説明に従って進めば、細かな使用条件まで設定できる
オーナー向けの登録ページ。アプリの記入欄の説明に従って進めば、細かな使用条件まで設定できる
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 また、オーナーとドライバーの相互レビューシステムも採用。事前に相手のプロフィールや他の会員からの評価などを確認することを推奨している。このあたりはネットオークションなどと同様だ。さらに、オーナー、ドライバー双方に対し、貸し借りの前にAnycaのアプリ内のチャット機能で連絡を取り合うことも薦めている。

オーナーが公開しているクルマのプロフィールページ。クルマの特徴や装備、使用条件のほか、ドライバーへの要望なども記載する
オーナーが公開しているクルマのプロフィールページ。クルマの特徴や装備、使用条件のほか、ドライバーへの要望なども記載する
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各プロフィールページでは、過去にクルマを借りたドライバーからの評価などが確認できる
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 「こうした仕組みに会員も慣れているので、トラブルは一般の想像以上に少ないと思う」と大見氏。「事故や故障、傷などのトラブルはアプリを介したやりとりでほぼ解決する。会員同士の交渉がこじれたときはAnycaが間に入るが、そんなケースは滅多にない」という。