法律上は個人間の共同使用契約

 Anycaのような個人間カーシェアリングサービスと、レンタカーや「タイムズカープラス」のような企業によるカーシェアリングサービスとで大きく異なるのは法的な位置付けだ。レンタカーなどは国の許可を得たレンタカー事業者による有償貸し渡しになる。一方、個人間カーシェアリングには元々明確な法的位置付けがなかった。このため、Anycaの場合は個人間での自家用車の共同使用契約の形を取っている。

 共同使用とは、複数人で自家用車の維持にかかる実費をシェアしようという考え方だ。2006年の道路運送法改正以前は国土交通大臣の許可が必要だったが、2006年の同法改正で許可が不要になった。とはいえ、元々、共同使用は個人間カーシェアリングサービスを想定したものではない。そこでAnycaでは共同使用の枠で運用できるよう、「サービス開始の1年前から行政に確認を繰り返し、運用ルールを決めていった」(大見氏)。

 例えば、Anycaでは、クルマの使用料をオーナー自身が決める際、アプリにクルマの購入時の金額や走行距離、年間維持費などを入力すると、使用料の上限金額を自動計算するシステムを導入している。共同使用契約では、共同使用料はクルマの取得や維持の実費を超えない範囲にしなければならないためだ。また、オーナーとドライバーがAnycaのサービスを通じてクルマを貸し借りするときは、6カ月、9カ月、12カ月のいずれかでまず共同使用契約を結び、期間内に再び借りれば、契約を自動更新する仕組みも取り入れた。「法的な位置づけを明確にし、会員に安心して利用してもらえるサービスを作るために、システムも含めてかなりの検討を重ねた」と大見氏は話す。

オーナーはアプリでクルマの購入時の価格や走行距離、年間維持費などを入力すると使用料の上限金額が表示される。これ以上の金額は設定できない
オーナーはアプリでクルマの購入時の価格や走行距離、年間維持費などを入力すると使用料の上限金額が表示される。これ以上の金額は設定できない
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