公式書店を通じて作家を応援できる

 作家や編集者による「公式書店」があるのもじぶん書店の魅力。ツイッターの公式アカウントのように、講談社が認めた作家本人の書店は「公式書店」という扱いになっており、その作家本人の著作や推薦する本を見ることができる。

 例えば、上田美和氏(ピーチガール)やかわぐちかいじ氏(沈黙の艦隊/ジパング 深蒼海流)、遠山えま氏(わたしに××しなさい!)、弘兼憲史氏(島耕作シリーズ)、藤島康介氏(逮捕しちゃうぞ/ああっ女神さまっ)、みずしな孝之氏(いとしのムーコ)といった著名な作家が既に70名以上も書店を開設している。佐藤氏によると、作家陣からの反応もよく、じぶん書店の書評をツイッターで拡散するなど、精力的に活動している人もいて「予想以上に面白い内容を作ってくれています」とのことだ。

講談社ならではの特徴が、作家や編集者による「公式書店」。画像はかわぐちかいじ氏の書店
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試し読みができるリンクをツイッターやフェイスブック、LINEなどに投稿できる機能も搭載している
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 公式書店で購入すると一般のユーザーと同様にアフィリエイトコインが作家に支払われる。自分の好きな作家を直接支援できるわけだ。

 さらに、好きな作家が自著以外でどんな作品を推薦しているのかを見られるのもじぶん書店の面白いところ。よく「本棚を見ればその人が分かる」と言われるが、自分の好きな作家が普段どんな作品を読んでいるかを知ることによって、作家や作品の原点を垣間見ることができるのは、好奇心を大いに満たしてくれるに違いない。

 このほかにもじぶん書店には、他のユーザーの書店をフォローする機能も備えている。好きな作品を紹介することで自分を知ってもらったり、同じ趣味を持つユーザーとつながったりと、「書籍を通したSNS」という側面も大きな魅力だろう。

 今後の展開として注力するのは、書籍の推薦文や「特集」というユーザーが決めた任意のテーマに沿った書籍リストの数を増やすことという。とにかく、作品を知ってもらう機会を増やすのが当面の目標だ。

 その一方で、販売できるコンテンツを拡大する計画も進める。現時点では、講談社の電子書籍だけが販売できるのだが、これをほかの出版社にも広げる。すでにいくつか他社から問い合わせなどもあるという。加えて、書籍だけでなく、動画、音楽の取り扱いも検討しているとのことだ。

 ヤングマガジン編集部に在籍するある編集者はじぶん書店を紹介するツイートで「変態的で偏愛的な書店を作ってください」と語っている。日本でもトップクラスの総合出版社である講談社の電子書籍を自分なりに集めれば、実にさまざまな“本のセレクトショップ”を作れるだろう。今後、どのようなユニークな書店が現れるか楽しみだ。

(文/シバタススム)