ビットコインは新しい決済方法として定着する?

 とはいえ、このままビットコインが定着するかというと、まだまだ難しいと言わざるを得ない。オンライン決済サービスを提供する米PayPalや米Stripeなどは、既に決済手段の1つとしてビットコインを採用しているが、まだそれほど利用されていないのが現状のようだ。ビットコイン自体の認知度が低く、さらにそれを利用しているユーザーともなれば数は大幅に減るだろう。現状、手軽さや安全性でも現金やクレジットカード、電子マネーに及ばないため、当面はごく限られた範囲での利用にとどまるというのが筆者の見通しだ。

使わないビットコインを保管するハードウエアウォレット「Ledger Wallet Nano」。ビットコインではユーザー個々人がパソコンなどで通貨を管理する必要がある。パソコンをハッキングされて大金を失ったなどということがないように、こうした外付けの保管用デバイスがある。こういった点も、一般にはまだまだ利用障壁が高いと言えそう
使わないビットコインを保管するハードウエアウォレット「Ledger Wallet Nano」。ビットコインではユーザー個々人がパソコンなどで通貨を管理する必要がある。パソコンをハッキングされて大金を失ったなどということがないように、こうした外付けの保管用デバイスがある。こういった点も、一般にはまだまだ利用障壁が高いと言えそう
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 ただ、ビットコインの利用範囲は限られていても、ビットコインまたはビットコインの技術を使った別の通貨や取引手段が、近い将来主流になる可能性はある。ビットコインの根幹技術である「ブロックチェーン」とそれを使って個人間の取引を分散管理する「分散台帳」方式は、各国の研究機関や金融機関によって研究が進められている。ブロックチェーンによる分散管理では、セキュリティー対策を万全にした高性能なシステムで集中管理するよりも、低コストで安全に取引ができる。既にクレジットカードブランドの米Visaがブロックチェーンを使った安価な銀行間送金のサービスを提供しているし、日本では東京三菱UFJ銀行がブロックチェーンを使った独自の電子マネー「MUFGコイン」の実験サービスを開始しているともいわれている。ビットコインとその技術が今後の決済のキーになるのは間違いない。

(文/鈴木淳也)