オープンワールドが生み出す「何でもあり」の面白さ

 ゲームの腕を問わず、誰もが楽しめてしまうゲームになったのは、今回の「ゼルダ」が、オープンワールドというゲームジャンルに挑戦していることが大きいでしょう。

 日本ではなじみのない言葉ですが、いまや欧米のヒットゲームの大半が採用している王道ジャンルです。広大な世界をまるごと用意して、それぞれのプレイヤーに、「あとは自由に探索してくださいね!」という遊び方を提案するゲームのことだと考えてください。

 これまでの「ゼルダ」は、いわばガイド付きのパッケージツアーみたいなものでした。Aの村に行き、新アイテムを手にしたらBのダンジョンに向かい、そこでアイテムを駆使して敵Cを倒して――と、おおよそ定められた手順に従ってゲームは進行しました。

 でも今回の「ゼルダ」はガイドなしのバックパッカー旅行みたいなもの。とことん自由です。「何でもあり」といっていい。

 この広大な世界には村が点在していますが、どの順番で行っても、まったく問題ありません。何体かの“中ボス”(のような敵)がいますが、どの順番で攻略してもOKです。本当のことを言うと、これらの中ボスは倒す必要すらありません(倒したほうが、その後の冒険は楽になります)。

 ゲーム開始から1~2分後、あなたは丘の中腹に立ち、禍々しい雰囲気に包まれた城を見下ろすことになるのですが、そこがラスボスがいるハイラル城です。最低限の準備が整った段階で(ここまで1~2時間ほど)、どの村にも行かず、どの中ボスとも戦わず、いきなりハイラル城を目指してもいいのです。とことん自由なのです。

 ただし、それはボクシングを習い始めた段階で世界ヘビー級チャンピオンに挑むくらい無謀な行為ですので、「そっちに向かおう!」と大地に降り立った10秒後、敵の姿すら確認できないまま瞬殺されてしまいます。試しに挑戦してみてください。敵があまりに凶悪過ぎて、つい笑ってしまう、という稀有(けう)な体験ができます。

遠くに見えるのがハイラル城。ゲーム開始直後に発見できる。すぐに行くこともできる (c)2017 Nintendo
遠くに見えるのがハイラル城。ゲーム開始直後に発見できる。すぐに行くこともできる (c)2017 Nintendo
[画像のクリックで拡大表示]
広大な世界には、さまざまな村がある。どの順番で巡っても問題ない。行かなくてもクリアは可能 (c)2017 Nintendo
広大な世界には、さまざまな村がある。どの順番で巡っても問題ない。行かなくてもクリアは可能 (c)2017 Nintendo
[画像のクリックで拡大表示]