無人の貸し借りでもゴミが放置されたりしないのか

 カーシェアリングのメリットの一つが、利用者が直接クルマに赴いて、手続きなく借りられること。ただ、不特定多数の人が代わる代わる使うクルマはきれいに保てるのだろうか。ゴミが放置されたり、ガソリンがほとんどない状態で返却されたりすることはないのか。利用したことがない人は特に気になるだろう。

 渡邉氏によると、「スタッフがすべてのクルマを2週間に1度のペースで巡回し、給油状態の確認や清掃をしている」という。加えて、利用者に借りたクルマを自主的にきれいに保ってもらうため、「TCPプログラム」を導入している。

 TCPプログラムは、タイムズカープラスの利用状況によってポイントがたまる仕組みだ。自分の次に借りた利用者がクルマの状態をきれいだったと評価したときや、利用時に20リットル以上の給油をすると、そのたびごとにポイントがもらえる。逆に、返却予定時間に間に合わず、次の利用者に迷惑をかけたり、車を汚して利用できない状態にした場合には減点される。ポイントがたまるとステージが上がっていき、30分間分の無料チケットがもらえたり、通常は2週間前からしかできない予約が3週間前からできるようになったりする。

TCPプログラムのポイント確認画面
TCPプログラムのポイント確認画面
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 このほか、給油や水洗い洗車をすると、それぞれ1回につき15分の料金が割引になるサービスも用意している。給油はクルマにつけたセンサーが自動的に検知して、料金に反映。水洗い洗車の場合は利用時間内にコールセンターに申告する必要があるのでやや面倒だが、それでも割引に魅力を感じる人は多いだろう。「こうしたサービスを用意することで、自主的にきれいに使ってくれる利用者が多い」と渡邉氏は話す。

3時間予約して2時間で返しても、料金は2時間分

 最後に、カーシェアリングを上手に使うポイントを聞いてみた。まずは「時間に余裕をもって予約すること」。タイムズカープラスの利用料金は、予約した時間分ではなく、実際に使った時間分で計算される。3時間予約しても2時間で返せば、料金は2時間分だ。また、予約開始前にキャンセルすれば、キャンセル料もかからない。

 予約時にカーナビの目的地を設定しておくのも有効活用のコツだ。予約サイトと予約したクルマのカーナビは連動している。「慣れないカーナビだと、設定方法が分からず、モタモタすることもある。予約時に設定しておくと、時間のロスを防げる」(渡邉氏)。

パソコンからウェブサイトで、あるいはスマホのアプリで事前にカーナビの目的地を設定しておける
パソコンからウェブサイトで、あるいはスマホのアプリで事前にカーナビの目的地を設定しておける
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 2つ目は、乗る前に車両をチェックすること。タイムズカープラスでは、出発前に車両や車内の確認、安全点検を十分にできるよう、予約の10分前からクルマを使用できるようになっている。「気になる傷があったら、コールセンターに申告してください。申告していないと、最悪、自分のせいになってしまう場合もあります」(渡邉氏)。

 3つ目は、レンタカーと上手に使い分けること。一般に「10時間以上借りるならレンタカーのほうが得なことが多い」(渡邉氏)。街乗りや日帰り旅行ならカーシェアリング、1泊以上するならレンタカーが向いている。カーシェアリングを運営している会社はグループ会社などにレンタカー会社があり、特典を受けられるケースも多い。タイムズカープラスの場合、「タイムズカーレンタル」の利用料が最大25%オフになるサービスや、レンタカーの店舗にある端末にタイムズカープラスの会員カードをかざすだけで貸し出し手続きが完了するサービスなどを設けている。

タイムズカープラスの会員が「タイムズカーレンタル」でレンタカーを借りるときは、会員カードをかざすだけで手続きが済むサービスも
タイムズカープラスの会員が「タイムズカーレンタル」でレンタカーを借りるときは、会員カードをかざすだけで手続きが済むサービスも

 ちょっとした街乗りから日帰り旅行まで使える手軽さ、ポイントシステムやスタッフによる定期巡回でクルマを安全かつ清潔に保つ仕組みなどが充実しているカーシェアリング。自家用車を持っていない人にとって、手軽かつ安心して使えるサービスと言えそうだ。

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(文/平野亜矢=日経トレンディネット)