当面はコミュニケーション機能のみ

 「+メッセージ」はサービス内容や実際の利用シーンを考えると、「LINE」に非常に近い。そのため、携帯大手3社が、「LINE」に奪われたコミュニケーション需要を取り戻すための対抗サービスとみる向きが多い。

 だが実際のところ、「LINE」と「+メッセージ」とでは採用されている技術が大きく異なっている。「LINE」をはじめとする既存のメッセンジャーアプリは、あくまでインターネットを経由してメッセージのやり取りをする仕組みだが、「+メッセージ」は携帯電話標準化団体のGSMアソシエーションが定めたSMSの後継規格であるRCS(リッチコミュニケーションサービス)を用いたもの。あくまで携帯電話サービスの延長線上にあるのだ。

「+メッセージ」はSMSを進化させた国際規格「RCS」を採用したサービスで、携帯電話サービスの延長線上にある
「+メッセージ」はSMSを進化させた国際規格「RCS」を採用したサービスで、携帯電話サービスの延長線上にある
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 先述した通り、アカウントの作成やパスワードの入力といった手間がなく、電話番号さえ分かれば誰とでも手軽にメッセージのやり取りができる点は、メッセンジャーアプリにはない「+メッセージ」の優位性だ。また、連絡先に登録していない電話番号からメッセージが届いた場合は、アイコンで「未登録」であることが分かるなど、簡単に相手を判別できる安心感も大きなポイントだ。

電話番号でやり取りができることから、電話帳などから手軽にメッセージを送信できる。「+メッセージ」非対応の端末にはSMSが送信される
電話番号でやり取りができることから、電話帳などから手軽にメッセージを送信できる。「+メッセージ」非対応の端末にはSMSが送信される
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 一方で、現時点の「+メッセージ」はあくまでコミュニケーション機能のみの提供となるため、ニュースや電子商取引などと連携できる「LINE」と比べると、サービス面が弱い。「LINE」の公式アカウントのような企業と顧客をつなぐ仕組みの導入も検討しているとのことだが、現時点で具体的な内容は決まっていない。

将来的には「LINE」の公式アカウントのような機能の導入も検討されているが、当面はコミュニケーション機能のみにとどまる
将来的には「LINE」の公式アカウントのような機能の導入も検討されているが、当面はコミュニケーション機能のみにとどまる
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 そうした状況を見るに、「+メッセージ」はメッセンジャーアプリではなく、まずは携帯メールの代替として広まるのではないかと筆者はみる。現時点では、「LINE」のユーザーが積極的に「+メッセージ」を利用する理由に乏しいからだ。

 とはいえ、「LINE」を使っていない人にとっては、電話番号だけでコミュニケーションが取れ、かつSMSよりはるかに料金の安い「+メッセージ」は魅力的に映るかもしれない。

 「+メッセージ」が現時点で対応しているのはスマートフォンとタブレットのみだが、携帯大手3社はこれをAndroidベースのフィーチャーフォンにも搭載していくという考えも示している。いまだに携帯メールを使い続けているのは、主としてフィーチャーフォンに愛着がある人たちだ。端末側の対応が進めば携帯メールから「+メッセージ」に乗り換える流れが加速する可能性も高い。