買った人の満足に焦点を当てたPS VR

――2016年はPS VRが発売され、大きな注目を集めました。現在でも品薄状態と人気です。

盛田氏: PS VRは販売台数を追うのではなく、購入した人に満足してもらうことを目指しています。2016年は「VR元年」と呼ばれ、VRが脚光を浴びました。だからこそ、PS VRがどんなものかよく知らずに買った人が、買った後に「想像していたものと違う」と思うような事態は避けるべきだと。そこで、流通各社と組んで、体験会と販売をセットにする形を重視していました。

 結果として、購入したユーザーさんにご満足いただけたので、VRを理解した上で楽しんでもらうという目標は達成できたと思います。ただし、想定以上に旺盛な需要に対し、現在も品切れや品薄の状態が続いていることは申し訳なく感じています。発売以降生産を増やしており、今後も大きな需要に引き続き応えていく予定です。

――ネットワークサービスはいかがでしたか?

盛田氏: ネットワークサービスの「PlayStation Network」もPS4の販売増を受けて好調でした。オンラインストア「PlayStation Store」の売り上げ、有料会員サービス「PlayStation Plus」のメンバー数共に大きく伸びました。オンラインならではの多様な販売形態やその利便性が受け入れられたのも、好調な理由の1つだと考えています。例えば、PS VR用ソフト『サマーレッスン』(バンダイナムコエンターテインメント)の1話単位での販売などは、オンラインならではの販売方法と言えるでしょう。

SIEはPS VR増産、大作ゲームを投入で拡販を加速(画像)
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――日本以外のアジア市場での手ごたえは?

盛田氏: アジア市場も全般に好調でした。中でも、2016年に大きく変化したのが韓国市場です。韓国は、もともとパソコンゲームが強い市場でしたが、この1年ほどはPS4を中心にコンソールゲーム(家庭用ゲーム機)の市場も拡大しています。アジアはかつて違法コピーによる海賊版が多く出回っていて、そのためハードウエアは売れてもソフトは売れにくい状況がありました。PS4とPS Vitaの世代にコピープロテクトを強化し、海賊版を大幅に減らせたことは大きな貢献だと思います。

 アジア言語へのローカライズを徹底したことも、功を奏しました。ソフトウエアメーカー各社さんに呼びかけ、われわれも支援することで、ローカライズしたタイトルを多くリリースしてもらいました。今ではソフトウエアメーカーさんの多くが、開発スケジュールにローカライズも織り込んでくれるようになっています。現地に合ったゲームタイトルを現地の言葉で数多く出せるようになったため、ハードウエアと連動してゲームが売れるようになりました。例えば、ワールドワイドで同時発売した『ファイナルファンタジーXV』の売れ行きは好調だったと聞いています。

 以上のように、各ハードウエアを中心に2016年を振り返りましたが、われわれは個別のハードウエアの販売台数はもとより、PSプラットフォーム全体を利用するユーザーを増やすことを目標にしています。その観点で、2016年は日本、アジアとも非常に良い状況だったと言えます。