既存の製品を応用した新たな提案が見られた
各社のブースを回ると、今年のトレンドになりそうな新製品や新サービスも発見できた。
リコーのブースでは、全天球カメラの代名詞となっているTHETAシリーズと同社のデジタル一眼レフカメラを併用して撮影し、「2台の組み合わせで全天球写真のクオリティーを高める」という技術展示をしていた。デジタル一眼で撮影した写真や動画をTHETAの全天球写真に組み込み、拡大した際にデジタル一眼で撮ったものにシームレスに切り替えて精細に表示するというものだ。全天球カメラは、1回のシャッターで周囲360度の写真が残せる特徴がある一方で、拡大すると画質が粗くなる欠点がある。この技術を用いると、デジカメさえあればその欠点が解消できるので、実用性が大幅に高まるだろう。参考出品のため、実用化の時期などは未定とのこと。
富士フイルムが展示していたチェキの参考出品「instax SQUARE」も目を引いた。印画紙の短辺の幅を広げてアスペクト比を1:1にしたもので、ポラロイド用フィルムと同じスクエアフォーマットとなる。日ごろインスタグラムを活用する若年層に支持されそうだ。現像液が入っている余白を含めても正方形に近いことから、メッセージやイラストを描き込んだチェキをスマホで撮影してインスタグラムにアップロードする「肉筆付きインスタグラム」といった新たな楽しみ方が生まれるかもしれない。
instax SQUAREに対応するカメラやフィルムは2017年春に正式発表するとのことで、具体的な製品は展示していなかった。だが、ブース内のモニターで流していたプロモーションビデオ内に、対応カメラの姿がチラッと登場していた。スマホからワイヤレスでプリントできる「スマホ de チェキ」(instax SHARE)もinstax SQUARE対応モデルがお目見えする可能性があるので、スマホ派も注目できる。