国内スタジオで作ったゲームが海外市場でも通用

――海外戦略については、どんな1年でしたか。

田中氏:  2016年は海外でリリースしているタイトルを少し整理して、運営をクローズさせるなどして、売り上げは一時的に下がりました。

 その一方で、『DragonSoul』というネイティブゲームを持つ米PerBlueを10月に買収しました。当時で900万ダウンロードくらいのユーザー数を抱えるRPGゲームなのですが、まだまだ伸びしろあるタイトルと判断しました。リリースされてから2年くらいなので、われわれが持つ運営ノウハウを活用することで、改善できる余地があると思っています。

『DragonSoul』 (C) Fantasy Legend Studios, Inc.
『DragonSoul』 (C) Fantasy Legend Studios, Inc.
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 それから、バンダイナムコエンターテインメント(BNE)さんの海外戦略については参考にさせてもらっています。例えば、『ドラゴンボール』は、日本を含めた全世界同時にリリースして、成功しているじゃないですか。

 僕らは、欧米市場向けのゲームは、欧米のスタジオで作らなければならないと思っていたんですね。BNEさんは日本のスタジオで作ったゲームを全世界に配信するというチャレンジをしていますよね。そうしたIP(ゲームのタイトルやキャラクターなどの知的財産)を活用した路線を、自分たちもできないかと模索しているところなんです。

――中国向けのネイティブゲーム配信も積極的な印象です。

田中氏:  そうですね。昨年発表したのですが、テレビアニメ『ワンパンマン』のネイティブゲームを、2017年に日本と中国で配信を予定しています。さらに、テレビアニメ『BLEACH』のネイティブゲームを開発して、中華圏で配信する計画です。この2つのプロジェクトのいずれも、中国のOurpalm(北京市)との共同事業としてスタートしています。

 それでも、まだまだ中国市場については勉強を始めたばかり。ゆくゆくは自社IPをパートナーに展開してもらうといった大規模なビジネスを実現したいものです。しかし、簡単なマーケットではないことは理解しています。弊社の手を介さないでできる大手企業のビジネスはたくさんありますが、逆に「グリーが契約の代行をしてくれるならビジネスしてもいいな」と思ってくれる企業も少なくないと思うんですよ。

 いずれにせよ、強い自社IPを作ってから、中国を始めとした海外マーケットへ取り組むというステップが必要ですね。日本国内でちゃんとヒットしたゲームを作れるように、ゲーム会社としての“強み”を作らなければなりません。他の会社から協業したいと声をかけていただけるようなゲームを作れる会社になるというのが、実は大事な戦略なんです。

『ワンパンマン』 (C)ONE・村田雄介/集英社・ヒーロー協会本部
『ワンパンマン』 (C)ONE・村田雄介/集英社・ヒーロー協会本部
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『BLEACH』 (C) Tite Kubo/Shueisha, TV TOKYO, dentsu, Pierrot
『BLEACH』 (C) Tite Kubo/Shueisha, TV TOKYO, dentsu, Pierrot
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