グローバルトレンドに逆行して勝算はあるのか

 Xperia XZ2とXperia XZ2 Compactは、大幅に仕様変更されたことで、機能的な充実度は大きく高まったようだ。しかし、それが販売面でプラスに出るかとなると「そうとは限らない」というのが正直な感想である。

 筆者がそう考える最大の理由は、スマートフォンのグローバルトレンドに、完全に逆行していることだ。現在のスマートフォンは、本体の薄さと、ディスプレーのベゼル部分の幅の狭さを極限まで追求したデザインが主流。またカメラに関しても、2つのレンズを利用して望遠撮影や広角撮影などができるデュアルレンズが当たり前となりつつある。

 しかしながらXperia XZ2/XZ2 Compactは、そういったトレンドと明らかに逆行しているのだ。実際、Xperia XZ2の厚さは11.1mm、Xperia XZ2 Compactは12.1mm。Xperia XZ1は、最も厚い部分でさえも8.1mmだったことを考えると、かなり厚くなったと言わざるを得ない。またベゼルの幅も、最近のハイエンドモデルとしては広めだ。

Xperia XZ2の側面。最も厚い部分は11.1mmあり、実際に手に取ってみても最近のスマートフォンとしてはかなり厚いという印象だ
Xperia XZ2の側面。最も厚い部分は11.1mmあり、実際に手に取ってみても最近のスマートフォンとしてはかなり厚いという印象だ
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 カメラに関しても、高性能で特徴的な要素も多いとはいえ、搭載しているレンズは1つのみ。特に大画面のハイエンドモデルに関しては、レンズを1つしか搭載していないモデルはユーザーから“時代遅れ”と評価されるようになってきているだけに、この点は大いに気になるところだ。

 現時点で発売される国が決まっている訳ではないが、5型前後のディスプレーを搭載するモデルの人気が高く、薄さよりコンパクトさを優先するユーザーが多い日本市場では、Xperia XZ2もまだ受け入れられる余地があるかもしれない。だが海外では、独自のデザインやカメラに対するこだわりが裏目に出る可能性が大きい。ソニーモバイルが海外での端末販売を拡大するには、その独自性やこだわりに説得力を持たせることが、非常に重要な課題となってくるだろう。

 ちなみにソニーモバイルは、今回の新モデルの発表に合わせる形で、独自のデュアルレンズモジュールと画像融合処理プロセッサーによって超高感度撮影を実現する技術を開発中であることを明らかにしている。この技術では静止画でISO感度51200、動画でもISO感度12800の撮影が可能になるという。となると、昨年の「Xperia XZ Premium」のように、Xperia XZ2の要素を取り入れた超高感度の上位モデルが登場する可能性も高い。そのときがソニーモバイルが真の勝負を仕掛けたときかもしれない。

(文/佐野正弘)

Xperia XZ2と同時に発表されたデュアルレンズモジュール。超高感度撮影を可能するモジュールだという
Xperia XZ2と同時に発表されたデュアルレンズモジュール。超高感度撮影を可能するモジュールだという
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