デメリットはランキングという宣伝手段を失うこと

 ただし、HTML5対応のブラウザーゲームにもデメリットはある。それはAppStoreやGoogle Playでのランキングに入らない点だ。現在アプリのダウンロード数を左右する大きな要因の1つに、ストアランキングが挙げられる。ランキングに露出することで、さらなるダウンロードを見込めるのだ。だが、それらのストアを介さないブラウザーゲームの場合は、ランキングに登場しないため、最大の宣伝手段がなくなってしまうのである。

 enzaはこの問題を、ゲーム自体のバリューを生かすことでクリアする戦略だ。前述のように、『アイドルマスター』『ドラゴンボールZ』『ファミスタ』は、既に固定ファンが存在するタイトルで、プラットフォームがなんであれ、ゲームがリリースされればプレーされる。IP(ゲームやアニメのタイトル、キャラクターなどの知的財産)の強みを持って、最大の宣伝手段の損失に対応した。

ストアのランキングに表示されないが、enzaのタイトルもアプリ並みの人数が事前登録している
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発表会のゲストだったカラテカの入江慎也さんと鈴木咲さんもゲームを体験した
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 enzaはBXDのタイトルのみをリリースするのではなく、サードパーティーにも門戸を開いている。ただ、闇雲にゲーム数を増やしてもAppStoreやGoogle Playの縮小版になるだけ。内藤氏によると、参加するゲーム会社やタイトルを厳選し、enzaでのみ体験できるタイトルを展開する予定だという。

 ブラウザーをベースにしたゲームプラットフォームというと、携帯電話時代に人気を集めたグリーやモバゲーを思い浮かべる人もいるはずだ。だが、当時と違うのは、単純な画面や操作で構成されたゲームではなく、アプリと変わらぬクオリティーで、かつ手軽なゲームだということ。そのうえ、アプリではできなかったプレーヤーへの還元もあるというのなら、がぜん期待は高まる。enzaには、HTML5対応ブラウザーゲームのトップランナーとして、健全なゲーム市場の構築を願いたいところだ。

(文/岡安学)

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