2017年は新作、クロスメディア、海外展開に注力

――2017年はどこに重点課題を置かれていますか。

木村: 重点課題はたくさんありますね。まずは、昨年制作発表会で発表した新作タイトルをしっかりと出すことです。『シャドウバース』のように、ユーザーが新しい体験ができるもの、今まであまりなじみのない新鮮な体験ができるものを、今年はどんどん出していきたいですね。

 また、『神撃のバハムート VIRGIN SOUL』『グランブルーファンタジー』はアニメが始まります。ゲーム以外のクロスメディア展開をして、より弊社のIPに触れてもらう機会を増やそうと考えています。

 海外戦略も今年から本格的に展開していきます。昨年から北米市場に注力していましたが、今年はアジア地域への展開も力を入れてやっていきたいですね。『シャドウバース』は韓国版の配信を2月7日に開始しましたが、これは現地に拠点を作るぐらいの勢いでやろうと思っています。やはり現地に拠点がないと、ユーザーサポートやプロモーションが全然うまくいかないんですよ。eスポーツのようなイベントを開催するにしても、現地に拠点を置くことが必要です。

アニメ化される『グランブルーファンタジー』
アニメ化される『グランブルーファンタジー』
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――まずはアジアの中でも、韓国に力を入れるということですね。

木村: はい。距離的にも文化的にも近いですし、以前、『神撃のバハムート』の韓国版の運営をしていたことがある流れで、韓国で絶対にヒットさせるぞという情熱のあるスタッフがいるんです。eスポーツが流行している国ですし、ここで足掛かりを作りたいという思いもあります。

――北米の状況はいかがですか。

木村: じわじわ伸びてますね。特に、パソコン版が好調です。日本とは逆で、あちらは自動車文化なので移動中にスマホとかはできませんから、メーンがパソコンでサブがスマホになるんですね。パソコン版を作っておいてよかったなと本当に思います。

――先ほどクロスメディア展開のお話がありましたが、クロスメディア展開は新規ユーザーの獲得が狙いなのか、それとも既存のユーザーにより深く訴求を図るのか、どちらに主眼を置かれているのでしょうか。

木村: 両方ですね。例えば、「サイコミ」には、弊社のゲームとは関係のない作品もあります。漫画やアニメをきっかけにゲームを知ってもらったり、すでに遊んでいただいているゲームに漫画やアニメでコンテンツとしての広がりを出したり、コンテンツごとに役割は違います。

――マンガやアニメも、今後はゲームと同様に海外展開にも注力したいとお考えですか。

木村: はい。アニメはすでに海外でも翻訳されたものが展開されていますが、これからはマンガの配信もしたいと考えています。

木村唯人常務
木村唯人常務
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――アニメ制作は外注もできますが、グループ内にアニメ制作会社CygamesPicturesを作ったのはなぜなのでしょう?

木村: 自分たちで制作したほうが作りやすい場合があるからです。例えば、スケジュールを柔軟に組めるというメリットがあります。アニメは作る順番が決まっているので、途中で作り方を変えたりすることはできないのですが、自分たちでなら、ある程度、調整できる面がある。

 弊社で新事業を始める場合は、それをやれて、なおかつ強い情熱を持った人が立ち上げることが多いのですが、今回も社内にアニメを作れて、かつアニメをやりたいというスタッフがいたというのもありますね。

――昨年にはLogicLinksという子会社も設立されています。こちらはどのようなサービスを提供する会社ですか?

木村: データ分析を元に、ゲームのディベロッパー(開発元)やパブリッシャー(発売元)に自分たちのコンテンツをどんなふうに宣伝したらいいのか、どんなゲーム内容にすればいいのかなどのコンサルティングを行います。弊社は常日頃からデータ分析にかなり力を入れていて、ノウハウもいろいろ持っているんですよ。いろいろなタイプのゲームを出しているので、ユーザーもいろいろなタイプがいるんですね。

 LogicLinksは、『グランブルーファンタジー』のプロデューサーも務めた春田康一が強い思いで立ち上げた会社です。Cygamesだけでなく、ゲーム業界全体に貢献していきたいと考えています。