景品表示法や刑法のしばりが問題となって高額賞金を出せないとされてきた日本のeスポーツ大会。だが、eスポーツの新団体「日本eスポーツ連合」がライセンスを発行し、プロを認定する仕組みを作ることでこの問題をクリアするめどが立った。プロライセンス発行の対象となる大会が初めて開催された「闘会議2018」では、どのように大会が進められたのか。ゲームに詳しいライターの稲垣宗彦氏がリポートする。
「闘会議」は、ユーザー参加型のゲーム大会を中心に、ゲーム実況エリアやレトロゲームが楽しめるエリア、自作・インディーゲームを集めたエリアなど、多彩なイベントが同時進行で行われる。例年、話題となる大イベントだが、今大会はゲームに関連する各方面から高い関心が集まった。というのも、2017年秋から急速な進展を見せている日本のeスポーツにおいて、プロゲーマーが初めて誕生する歴史的なイベントになったからである。
そもそもなぜ「プロライセンス」なのか
米国や欧州、韓国を中心としたアジア圏でeスポーツが年々熱を帯びていくなか、先進国で唯一、日本だけはなかなかその流れに乗れずにいた。原因としては、海外では「eスポーツ」という文化がPCゲームを中心に培われてきたのに対し、日本ではPCでゲームを遊ぶユーザーが少なかったこと、景品表示法、賭博関連の刑法、風営法といった法制度の問題で、賞金付き大会の開催が難しかったことなどが挙げられる(関連記事:eスポーツで、ゲームは「プロ野球」になれるか)。
この問題を解決する手段として、sスポーツの新団体「日本eスポーツ連合」(JeSU)が発足し、プロライセンスを発行して「プロゲーマー」を認定することになった。JeSUの定めるプロライセンス取得にはいくつかの条件があるが、その1つがJeSU公認の大会においてJeSU公認タイトルの競技で優秀な成績を収めること。そして、初のJeSU公認大会になるのが、闘会議2018というわけだ。