大企業とスタートアップの連携の“アピール”も重要

 対談の中で西田氏は「日本は大企業の出展が多いのですが、その内容はすごく真っ当で、他国にきちんと対抗できるものでした。とはいえ、大企業ブースが中心というのはCESのトレンドと違うように感じました」と話していた。

 「欧米のメーカーでは、スタートアップと連携して……というメッセージがすごく多いですよね。トヨタもインテルもスピーチしましたが、トヨタからはスタートアップの話はほとんど出てきませんでした。他社はスタートアップのこの技術を買った、連携したというのが多かったですね」(岩佐氏)

 「(日本のメーカーは)『わが社はこうだ』ですが、(欧米のメーカーは)『見せたい世界観はこうで、こういう方々と一緒にやっています』ということが多く、ここがちょっと違うと思いました。日本の大手メーカーはいろいろな企業と協力してるのに、最終的にその企業の名前しか出てこないですよね。(例えばクルマなら)ミッションは、LEDのフロントライトは、タイヤは、制御用ソフトウエアは……こうしたコンポーネントをどこが作っているのか全く出てきません。家電もそうです。この思想が全体に広がっている気がしますね」(西田氏)

 「これは日本人全体が考えなければいけないですね。グローバルトレンドがいいとは言いませんが、それは意識したほうがいいと思います」(岩佐氏)

 確かに、大手メーカーは自社開発した技術に関しては「自社開発」を前面に打ち出すものの、それ以外についてはどこの部品や技術を使っているのかを表に出さない傾向がある。できたばかりで従業員も少ないハードウエアスタートアップの製品や技術を積極的に取り入れればアピールにもつながるのだろうが、大企業を中心とした“企業ムラ”を作り上げてしまう旧態依然とした体質が横たわっているのかもしれない。

 現状では日本企業の出展は大手メーカーが中心となっているが、ハードウエアスタートアップにとってCESはとても魅力的な展示会だと岩佐氏は話す。

 「ハードウエアスタートアップがデビューできるのはほかにもいろいろありますが、CESは圧倒的にいい場所です。スタートアップを起業したはしくれなので、スタートアップはみんなきてCESに出展すればいいと思います。どんどん増えればスタートアップを見ようというメディアも来ますし、投資家も来ます。大企業も投資しますし、『オープンイノベーション』もあります。大企業が半分くらいで、残り半分がスタートアップくらいになったほうが健全な気がしますね」(岩佐氏)

Cerevo岩佐氏、スタートアップはもっとCESに出るべき(画像)
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トークイベントではスマホと連携して手軽に決済できる超小型自動販売機「Qvie」のデモも行われた
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(文・写真/安蔵 靖志=IT・家電ジャーナリスト)