ホテル予約の二次流通サービス

 2018年は、二次流通市場もさらに活発化しそうだ。これまでの二次流通市場は「メルカリ」や昨年、サービス開始からわずか16時間半で、3億6629万3200円が換金されたことで話題をさらった「CASH」などに代表されるように、物販の販売が中心だった。これに加えて、サービスを二次流通させる仕組みも登場し始めた。新たな潮流として注目を集めそうだ。

 例えば、宿泊施設の予約。Cansell(東京都渋谷区)が運営する「Cansell」は、予約していた宿泊施設の宿泊権を売買できるサービスだ。会員同士で売買する方法と、同社が会員からホテル予約の権利を買い取り、サービス上で再販する2つの方法で商品を販売している。購入利用者は目的地や日程から出品されている宿泊施設を探して購入できる。

 同社の山下恭平社長はサービスの開発背景をこう説明する。「ホテルが無断キャンセルを防ぐために事前決済を推奨する動きは今後、広がっていく可能性が高い。また、予約と同時にキャンセル料が100%かかるが安いというプランが増えていることから、ホテルのキャンセルニーズは増えると考えた」。

 急な用事や病気で旅行をキャンセルせざるを得ない場合でも、Cansellを使えばキャンセル料を全額負担せずに済む可能性がある。一方、購入者はよりお得に宿泊施設を利用できる。Cansellに出品されている商品の中には7~8割引きの商品もあるからだ。

 利用者は出品したい場合、会員登録後にホテルの予約時に受け取ったメールをCansellに転送する。このメールを基に出品可能かどうかを、Cansell側で審査する。予約の名義変更などができない宿泊施設の場合には、出品不可の場合もある。審査は10分ほどで完了する。出品者は出品金額などを設定するだけで、Cansell上に商品として掲載される。商品が売れた場合には、5営業日以内に、サービス利用料の15%が引かれて登録している銀行口座に振り込まれる。買い取りの場合には、審査後に金額が提示されるため了承すれば、その時点で売買成立となる。

 Cansellでとくに人気なのは、やはりお得商品だ。通常料金よりも大幅に値引きされて販売される商品はすぐに完売する。また「星野リゾートの宿泊施設など、人気のホテルも出品されるとすぐに売れる」(山下氏)傾向にあるという。

最大で約8割引きの価格でホテルの予約が出品されることもある
最大で約8割引きの価格でホテルの予約が出品されることもある
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人気のホテルは出品後、すぐに完売してしまうという
人気のホテルは出品後、すぐに完売してしまうという
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 Cansellは2018年中にアプリ版の提供を始めるほか、今後は飲食店予約の売買にも手を広げる計画だ。さらに、「将来的には航空券の二次流通にも挑んでいきたい」と、山下氏はサービス領域の二次流通市場の拡大に意気込みを見せる。

 一方で、新興の二次流通サービスの台頭によって新たな課題も噴出している。2017年末にはコンサートのチケットの二次流通サービス「チケットキャンプ」の運営会社フンザ(東京都渋谷区)がサービスを停止。組織的にチケットを不正入手して転売する業者の販売手数料を免除するなど、フンザが高額転売をほう助していたことが明らかになった。二次流通市場においては、流通する商品を一次流通する業界の理解を得られなければ、健全な市場は築けない。

 Cansellでもホテルの予約を通常料金以上で販売することを認めていない。「キャンセル料がかからない段階で予約だけして、転売をするという行為を助長しかねない。既存の業界と手を取り合って市場を拡大していく」(山下氏)ことで、双方にとってメリットのある市場創造を目指す方針だ。