自身もeスポーツ大会に出場

――ずっと格闘ゲームをプレーされてきたということは、「eスポーツ」という言葉が生まれてきた経過もリアルタイムに体験されていると思います。eスポーツっていう言葉を意識されたのはいつごろですか?

歌広場: ここ最近ですね。言葉自体は2~3年くらい前から耳にしていたんですけど、「eスポーツ」と言って「あぁ」と通じるようになったのは、今年になってからだと思います。ここ3年くらい「eスポーツ元年」って言われていますけど、今年こそが本当に「eスポーツ元年」なんだと思います。

 「eスポーツ」と聞いたときにみんなが何を思い浮かべるのか断言はできませんが、良しあしはともかく「賞金が高額で、プロプレーヤーがいて、憧れの的としてタレント化してきている」といったイメージは生まれつつありますよね。そういうムーブメントが起こりつつある感じは「いいな」と思います。

――実際に自身もeスポーツの大会に出場されていますよね。

歌広場: 今年の1月に開催された「EVO Japan 2018」ですね! もともと米国のラスベガスでは毎年8月に「EVO」という大きな大会が開かれていて、格闘ゲームのファンにはよく知られているんです。それが日本でも開催される噂はなんとなく耳にはしていたんですが、ついに実現したという(笑)。

2018年1月に開催された「EVO Japan 2018」。決勝は秋葉原のアキバ・スクエアで開催された(写真/岡安学)
2018年1月に開催された「EVO Japan 2018」。決勝は秋葉原のアキバ・スクエアで開催された(写真/岡安学)
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 EVOにはずっと出たいと思っていましたが、多くのプレーヤーが参加する米国のEVOでは何回も勝ち続けないと上位へは入れない。日本のプレーヤーには1回戦の前に「0回戦」があるといわれているんです。航空券や宿泊の手配も含め、無事に現地にたどり着いて大会にエントリーできるまでが「0回戦」。つまりそれだけハードルが高い。

 でも、EVO Japan 2018が開催されたことで、僕は初めて0回戦を突破できました。実際にはEVO Japanでも本戦の前に「プール」と呼ばれる予備戦がありますが、僕はそのプールのテーブルに就いた瞬間に感動して半泣きになった(笑)。

 実際は、プールの決勝で負けてしまって本戦には出られなかったけれど、それでもゲームを通して特別な思い出ができました。ゲームをやっていなかったら味わえなかった感動があったんです。

――今後は日本でも大会やプロゲーマーが増えていくでしょうね。

歌広場: 今はプロ化への流れの狭間にあって、プレーヤーをはじめ、ゲームに関わる人たちが悩んだりしています。eスポーツを巡って起こる「過渡期ならではの出来事」が今はとても楽しいと思っています。

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 ゲームに対する深い愛情が言葉の端々からほとばしる歌広場さん。最終回となる次回は、ゴールデンボンバーとしての活動と、ゲームで学び、実践していることとの共通点を語ってもらった。次回もお楽しみに。

(文/稲垣宗彦、写真/酒井康治)

【ゴールデンボンバー・歌広場淳さんインタビュー記事】

「人生の大事なことはゲームセンターで学んだ」(1)
・「格闘ゲームは相手を深く知れるから楽しい」(2):この記事
・「eスポーツは過渡期だから面白い」(3):9月18日公開


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日経トレンディネットの特報サイトでは、9月21日から歌広場淳さんの東京ゲームショウ2018レポートを集中連載として掲載します。特報サイトと併せてお楽しみに!
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