コミュニケーションの中心は写真から動画へ

――海外でのマーケティングにも利用できるのでしょうか。

長谷川: 可能です。Facebook やInstagramはワールドワイドなプラットフォームですから、日本にいながら世界各国のマーケティングに利用できます。各地域のデータに基づいて、実際にリーチできる人数などを、パソコンやスマートフォンの画面で簡単に確認できる機能を提供しています。例えば、国や地域、趣味・趣向、予算などを設定すれば、それに応じてリーチできる人数が素早くチェックできます。

Facebookが顧客向けに提供しているリサーチ機能の画面。地域や属性を指定して、リーチ可能な人数やリンクのクリック数などを推定できる
Facebookが顧客向けに提供しているリサーチ機能の画面。地域や属性を指定して、リーチ可能な人数やリンクのクリック数などを推定できる
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――海外展開で成功している実例は?

長谷川: 例えば、フリマアプリで知られる「メルカリ」は、日本と米国のキャンペーンをフェイスブック ジャパンと共同で進めています。米国を含め、すべてのマーケティングを日本から実施できるため全体のコストパフォーマンスが向上し、広告単価を10%以上下げることができました。

――技術革新が進むなかで、FacebookやInstagramを利用するにあたって気を付けるべき点は何でしょうか。

長谷川: マーケティングで利用するのであれば、「プラットフォームの特性を理解すること」「ユーザーのトレンドをとらえること」「旬のものを取り上げること」の3つが大事です。とくにユーザーのトレンドについては、2つの大きな変化が起きていると感じています。ひとつは、冒頭でも紹介した「モバイルシフト」、そしてもうひとつがコミュニケーションのベースとなる「コンテンツの変化」です。

――コンテンツの変化とは具体的にどういうことでしょうか。

長谷川: 時代をさかのぼると、モバイル機器における人々のコミュニケーションは、「音声通話」→「テキスト」→「写真」と変化してきました。現在、Instagramのユーザーが飛躍的に増えているのは、人々のコミュニケーション手段がテキストから写真に移り変わったから。Instagramは、そのトレンドに乗ったのだと感じています。そして今、まさに起きつつあるのが「写真」→「動画」という変化。Facebook では世界で1日に動画が80億回再生されており、「コミュニケーションの中心が動画になりつつある」と実感しています。マーケティングをやるうえで、このトレンドは絶対に押さえておくべきでしょう。

――動画でマーケティングをする際に、注意すべきことなどはありますか。

長谷川: 動画の視聴方法もモバイルシフトしています。そのため、ユーザーが動画を見てくれる時間はそれほど長くありません。「最後のオチ」よりも「冒頭のつかみ」が重要で、最初の3秒でユーザーの心をつかめるかがポイントになります。動画全体の長さも15秒以内が好ましいと思います。

――15秒では、詳しい情報提供は難しいですね。

長谷川: 「長めの動画でもっと詳しく知りたい」と思うユーザーがいるのも事実です。そのため、マーケティングにおいては全体の約7割をユーザーの興味をひく短い動画に、約2割をやや長めの動画に設定し、残りの約1割は非常に興味を持ったユーザー向けに見ごたえのある長尺動画を用意するとバランスが良いでしょう。TREND EXPO TOKYO 2017では、より多くの成功事例の詳細も紹介するほか、今後のトレンドやその活用法などもお話しできればと考えています。

フェイスブック ジャパンのオフィスにて。TREND EXPO TOKYO 2017では、海外進出事例、地方創生事例など、企業の実例を中心に講演を予定している(11月2日15時40分から)
フェイスブック ジャパンのオフィスにて。TREND EXPO TOKYO 2017では、海外進出事例、地方創生事例など、企業の実例を中心に講演を予定している(11月2日15時40分から)
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(構成/近藤 寿成=スプール、写真=小林 伸)