みんなでワイワイできる場所を強く意識

――スマートフォンゲームと飲食店が直接コラボレーションするケースはあまりなかったと思います。なぜ、リアルな店舗と結び付けた施策に力を入れたのでしょう。

多留氏: アニメやマーチャンダイジング、リアルイベントなどもやってきましたが、やはりスマートフォンの中だけでは、飽きられたらそれで終わりなのです。マーケティング活動自体も、ゲームの枠にとらわれずに飛び出していかないと、長く遊んでもらえないと考えた結果ですね。

 こうした取り組みはすぐ効果が出るものではないので、長期的なスパンで考えています。継続することが重要なのではないでしょうか。通常のゲームではコストがかかるためやらないことですが、それをやらないと今の時代を生き抜くのは厳しい。従来にないトリッキーなことにもチャレンジしてきましたが、ユーザーの反応があって続けていくうちに、周囲の見方も変わってきたように思います。

『モンスト』5周年 ゲーム外でも愛されるIPを目指す(画像)
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――IPを育てるという視点で見た場合、マーケティング活動における独自性や、注力している要素などはありますか?

多留氏: ゲームにしてもイベントにしても、単体での施策がどうというより、イベントが良かったからゲームのモチベーションが上がるというように、その熱量を連鎖させていかないといけない。そのための軸はやはり「みんなでワイワイする」ことです。

 居酒屋でのプロモーション事例がそうであるように、みんなが集まる楽しい場所にモンストの世界観を持ってくることによって、モンストにはこういう側面があるんだということを広げる。その成果が直接ゲームに反映される訳ではないけれど、盛り上げる場を多く作って人々の認識を変えていく。モンストがただのソーシャルゲームじゃないと感じさせることを、継続してやっていきたいと考えています。

 現時点での収益はあまり重視していません。長く安定して愛されることで、安定した収益を得ることを目標にしています。現在はその初期段階で、ゲームに熱量を連鎖させていくシナジーを意識していますね。もちろん最終的にはゲームをプレーしてもらうことを意識はしていますが、長い目で見て、ゲームだけでない収益が立てられるようにしていきたいと考えています。

――IPを育てることの目標は、やはりゲーム以外での収益の軸を育てることにあるのでしょうか。

多留氏: 大事なことは1つです。モンストはスマートフォンゲームが大事で、それ以外はおまけというのが多くの人の認識だと思いますが、それを変えたい。簡単に言ってしまえばモンストに関わる、けれどもソーシャルゲームやガチャといった部分とは違った、2発目のヒットを作り上げたいんです。

 まだそれを実現するものが何かが明確に見えているわけではありませんが、それを実現し得るいくつかの要素はあります。モンストの世界観を再現した『モンスターストライク カードゲーム』を3月に出し、2カ月で300万枚出荷しましたし、アニメが伸びればそれでもいい。映画の興行収入というのもあるでしょう。モンストから派生したゲームなども今後出していきたいと考えています。今のゲームの軸が強すぎるため、それ以外を作るのは難しいですが、いろいろな可能性を広げながら探っていきたいですね。

『モンスターストライク』の世界観をリアルなカードで実現する『モンスターストライク カードゲーム』
『モンスターストライク』の世界観をリアルなカードで実現する『モンスターストライク カードゲーム』
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