世界的に好調だった2017年

――バンダイナムコエンターテインメントにとって、2017年はどんな1年でしたか。

宇田川南欧氏(以下、宇田川氏): 2017年は前中期の最後の1年でしたが、この3年間おかげさまで業績も良く、特に前期はよりワールドワイドに事業展開できました。国内にとどまらず、世界にタイトルやサービスを提供できたと実感しています。

 事業ごとに見ると、家庭用ゲームソフトを展開するCS事業部(2018年度よりCE事業部・CEアジア事業部に組織名変更)は市場自体が好調です。特に好調なのは米国と欧州。国内よりもワールドワイドの市場が大きくなっています。中でも『ドラゴンボール ファイターズ』が累計出荷で当社史上最速200万本を突破するなど、非常に好調です。
 ネットワークコンテンツ事業部(NE)では、『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』は3年目のタイトルですが、各国でトップセールス1位を記録し好評を博しました。

バンダイナムコエンターテインメントのゲームとしては最も早いペースで200万本を突破した『ドラゴンボール ファイターズ』 (c)バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション (c)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
バンダイナムコエンターテインメントのゲームとしては最も早いペースで200万本を突破した『ドラゴンボール ファイターズ』 (c)バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション (c)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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世界各国で売り上げ1位になった『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』。丁寧にタイトルを運営しながら、こまめにプロモーションをしていったことが成功につながったという (c)バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション (c)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
世界各国で売り上げ1位になった『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』。丁寧にタイトルを運営しながら、こまめにプロモーションをしていったことが成功につながったという (c)バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション (c)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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――ローカライズなどはされているのでしょうか。

宇田川氏: コンテンツそのものを変えることはしていません。翻訳や、地域に合わせたイベント、プロモーションを行うくらいでしょうか。各地域でゲーム大会を実施したり、各国のインフルエンサーに発信してもらう機会を作ったり……。丁寧にタイトルを運営しながら、こまめにプロモーションをしていったことが成功につながったと思います。

――NEでは特に好調な地域はありますか?

宇田川氏: 米国と中国です。中国はビジネスの形態として、現地パートナーとコミュニケーションを密に取りながら、一緒に作っていくことが大切です。コンテンツのポイントをパートナーと話し合い、中国市場に合うものに変えていく。各国ごとに調整していますが、中国は特に意識しています。大変ですが、規模が大きいので成功時のリターンは大きいです。

 米国のマーケットは、特定の人気タイトルがランキングを占めていて、新しいものがなかなか入れないという特徴があります。でも、それは逆に一度入ってしまえばそのままずっとヒットし続けられるということでもある。米国も中国同様に規模が大きいので、ここを狙うのは重要だと感じます。

 何より重要なのはそれぞれのIP(キャラクターなどの知的財産)のファン向けにどれだけタイトルを作り込んでいくかです。ただはやっているから取り入れるのではなく、IPの魅力を最大限に生かしたものを作ることを目指しています。

 IPを使った作品はもともとその地域にファンがいるので、リリースされてからの初動がすごく早いんですよ。最初のスタートを失敗しないように、そしてファンの期待を裏切らないように注意していますね。最近はSNSなどを通じて多くの声が届くので、反響が励みになる半面、きちんと意見を反映しないといけない責任もあると思っています。