社内向けの高品質サービス事業を他社向けに展開

――GREE Platformのビジネスはすぐに変化しない?

小竹氏: 携帯電話のデバイスやGREE Platformはこれからも変化し続けるでしょう。また、ブラウザーゲームからネイティブアプリへ主戦場が変わりましたが、これがそのまま続くわけではないと思います。新しい技術として注目されているHTML5を使ったブラウザーゲームが盛り上がるかもしれませんから、我々もHTML5プロジェクトはいくつか走らせています。そうしたトレンドに対応はし続けていかなければならないと思っています。

小竹讃久氏。「GREE Platform」を管轄する
小竹讃久氏。「GREE Platform」を管轄する
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――HTML5が主流になるときは、現在のGREE Platformはどうなるのですか。

小竹氏: 過去にネイティブアプリの事業を始めたとき、GREE Platformの延長線上で物事を考えていて失敗した経験があります。例えば、ネイティブアプリでもスタート直後にGREEへの登録が必要な仕様にしたんです。お客様からすると手間が増えるだけで、メリットをあまり享受できないような仕様です。ネイティブアプリとして事業の本質を見誤ってしまったという教訓です。

 GREE Platform事業自体はとても大きな柱で、この事業に多くの従業員が関わっています。現在の収益となっている事業を維持しながら、どのように新しい事業への転換を図っていくかということに、私たちはいま挑戦しています。

――具体的にはどのような新事業ですか。

小竹氏: 1つが2015年に立ち上げたゲーム運営に特化する子会社「ファンプレックス」(東京・港区)です。他社さんがGREE Platformに提供しているゲームの事業を継続できないと判断されると、結果的にGREEのユーザーを悲しませることになってしまいます。そこで、ゲームを事業ごと引き取って、グリー社内で運営しようとスタートしたのがファンプレックスでした。

 ゲームをより長く運営するということは、質の高いサービスをお客様に提供しつつ、運営コストを抑えるバランスが大事です。これまで培ってきたノウハウをベースに、GREE Platform向け以外のゲーム運営にも活用できると思い、サービスを提供したところ、思っていた以上にニーズがありました。前年度の実績ではファンプレックス全体で100億コイン(=100億円)程度を取り扱いましたが、今年度はその1.5倍程度まで成長しています。

 現在のファンプレックスでは、ネイティブアプリ向けのサービスに徐々にシフトしています。ネイティブアプリの開発会社から見れば、リリースして「大ヒット」なのか「そうではない」のかを見極めたタイミングで、運営をファンプレックスに移管してしまえば、次の「大ヒット」を目指して開発リソースを集中させられます。

 2016年には、高い品質の問い合わせ対応業務を請け負う「ExPlay」という子会社も設立し、主にゲーム会社様向けにサービスの提供を始めました。グリー社内のノウハウを外部に活用するという意味では、ExPlayもファンプレックスと同じです。ゲームの問い合わせ対応は、ゲームの中身やお客様のプレー状況を把握したうえで、質問の意図を理解することが重要です。そのため、機械的な対応になりがちな「メールのコピペ」は禁止するなどのルールがあります。丁寧さを心がける代わりに1つひとつの対応に時間がかかるので、社内では高コストという意見もありましたが、ここまでの対応ができる会社は他にないと考えて、他社向けにサービスを提供し始めました。今では大盛況です。

ファンプレックスのエントランス風景
ファンプレックスのエントランス風景
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ExPlayのエントランス風景
ExPlayのエントランス風景
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