この1年、一番しんどい時期は脱した

――2017年は、gumiグループにとってどんな年でしたか? 良かったところ、悪かったところを教えてください。

國光宏尚(以下、國光氏): :まず、モバイルゲームに関しては、国内の市場が成熟してきている一方で、競争環境について言えば、一番しんどい時期は過ぎたのかなと思っています。モバイルゲームは、1本を作る開発期間が大体2年ぐらいで、開発費が5億円から10億円ぐらいというのが相場です。さらに広告費も同じくらいかかります。投資額が大きくなってきているので、大手ゲーム会社以外は、なかなか戦えない状況です。一時期みたいに、月に何百本も新規タイトルが出てくるという圧倒的な過当競争ではなくなってきたので、質が高い良いゲームを出していれば、しっかりと成果が残せるような環境にはなってきたのかなと感じています。

――そういったなかで、gumiの2017年は成果を残せた。

國光氏:  そうですね。自社のオリジナルタイトルでは、『ファントム オブ キル』や『誰ガ為のアルケミスト』、他社のIPを使ったゲームではスクウェア・エニックスさんと共同開発した『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS』(注1)が引き続き好調でした。ただ、こうした旧作が良かった半面、新規のオリジナルタイトルは、なかなか難しいところがありました。

『ファントム オブ キル』
『ファントム オブ キル』
『誰ガ為のアルケミスト』
『誰ガ為のアルケミスト』
『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS』(注1)(c)2015-2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Developed by Alim Co., Ltd
『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS』(注1)(c)2015-2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Developed by Alim Co., Ltd
注1:『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』(販売/配信元:スクウェア・エニックス)の開発運営を子会社のエイリムが担当


――2017年は、「はじける ぶっとびアクション」とうたったアクションRPGの『スマッシュ&マジック』(7月19日配信開始)、女性向けの『カクテル王子(プリンス)』(7月24日配信開始)、3DアクションRPG『セレンシアサーガ:ドラゴンネスト』(8月16日配信開始、注2)と3つのタイトルがリリースされましたね。

國光氏:   弊社の大きな戦略で言うと、オリジナルタイトルのゲーム性の部分でチャレンジングな取り組みをして、新たなゲームエンジンを生み出し、それを武器に他社IPとのコラボレーションでさらに収益を上げていくというのが、一つのやり方になっています。

 『スマッシュ&マジック』は、『モンスターストライク』の気持ち良さとは違った、3Dならではのアクション性を追求したオリジナルタイトル。『カクテル王子(プリンス)』は、ギークスさんと一緒に取り組んでいるタイトルですが、弊社の経験がない女性向けというジャンルへの挑戦。また、『セレンシアサーガ』は、(スマートフォンの)タッチパネルのバーチャルパッドで、コンソールゲームのようなアクション性をどこまで追求していけるかにチャレンジしています。

 こういうゲームのメカニック的なところで新たな挑戦をするゲーム会社は多くないので、その中で見えてきたことを基に、「これに合うIPってなんだろう」と考え、そのIPの版元さんと一緒にやりましょうと話をする。実際、『ブレイブ フロンティア』(2013年配信開始)がヒットして、このエンジンを生かしてスクウェア・エニックスさんと一緒につくったのが、『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS』です。

『スマッシュ&マジック』
『スマッシュ&マジック』
『カクテル王子(プリンス)』
『カクテル王子(プリンス)』
『セレンシアサーガ:ドラゴンネスト』(注2)
『セレンシアサーガ:ドラゴンネスト』(注2)
注2:『セレンシアサーガ:ドラゴンネスト』は、2018年2月14日にサービス終了を告知


――ただ、2017年の3タイトルについては、まだ模索している部分もある。

國光氏:   問題点は見えています。例えば、『スマッシュ&マジック』は、一定のファンをしっかりつかんでいるのですが、マネタイゼーションのループのところが課題。以前のスマホゲームほど初期ユーザー数を確保しにくいなかで、ARPU(Average Revenue Per User/ユーザーあたりの課金)をいかに上げるかということです。