11本の開発ラインで幅広い新作を投入
――『カルチョファンタジスタ』など新しいタイトルが徐々に出てきていますが、ゲーム開発に関して、従来と変わった取り組みなどはありますか?
森下: 特別なことはないですね。泥臭い取り組みを続けているだけです。弊社ではプラットフォームも限定していませんから、スマートフォンだけでなくPCもありますし、個人的にはコンシューマーゲーム機が好きなので、そこはやはり取り組んでいきたい。
――開発ラインが11本とのことで、かなり多い印象を受けます。
森下: そんなに本数が多いとは感じていません。色々なことがあって今年これだけの本数になっているだけで、計画して11本にしているわけではないですから。何本かつくりたいものをつくっていて、中には渋滞している企画もあったりしますが、市場の流れを見ながらタイミングよく出していきたいと思います。早すぎても遅すぎてもヒットにはなりませんからね。
僕たちは金融や投資事業をやっているのではないので、ポートフォリオという考え方は採用しません。ターゲットがかぶったとしても、つくりたいと思うもの、面白いと思うものをやっていきます。
――Nintendo Switchが品薄となるなど、コンシューマーゲーム機が再び盛り上がっている印象を受けます。
森下: コンシューマーゲーム機はゲーム業界のけん引役ですから、いいことだと思います。スマートフォンはあくまで「何でもできる小型PC」ですから、コンシューマーゲーム機とはゲーム体験のレベルが違います。コンシューマーゲーム機が盛り上がらないと、ゲーム業界の行く末が怖いですからね。弊社でもNintendo Switch向けのタイトルはもちろん取り組んでいます。詳細はその時がきたら発表します。
――コンシューマーゲーム機は特定のゲーム機に絞るのか、それともマルチプラットフォーム戦略をとっていくのでしょうか。
森下: メーカーとしていえばマルチプラットフォームのほうが販売面で有利ですが、グラフィックを低い性能の機種に合わせなければいけないなど、必ずしもベストな選択ではありません。やりたいことを削ってまでマルチプラットフォーム化することがいいのかというと難しい部分があるので、タイトルによって決めればいいのではないかと考えています。
――一方で、パブリッシングを手掛けている『ディズニー マジックキングダムズ』も、200万ダウンロードを超えるなど、好調です。
森下: こちらはPCのオンラインゲームを運用していた部隊が、そのノウハウを生かして運営を手掛けています。僕の発想ではこうしたゲームは作らないと思いますが、自分の発想が全て正しいわけではないですから、そうした部分を彼らがサポートしていく形になっていくと思います。