今年は『モンスターハンター:ワールド』

カプコン代表取締役社長COOの辻本春弘氏
カプコン代表取締役社長COOの辻本春弘氏
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――2018年の国内戦略についてはどうのようにお考えでしょうか。

辻本氏: まずは『モンスターハンター:ワールド』ですね。これは今年のビジネスにおいて非常に大きなチャレンジとなります。テスト段階でも非常に多くの人に遊んでいただきましたし、幸いにして発売早々から世界で出荷本数600万本(ダウンロード版販売実績を含む)という、カプコン史上最速のペースでスタートを切りました。国内に加え、今回グローバル展開として注力した海外での評価も非常に高い。先ほど申し上げたように、事前のβテストをしっかりやりましたし、ユーザーとのコミュニケーションも丁寧にとってきましたから、大きく成功させたいですね。

――それ以外のタイトルについてはいかがですか。

辻本氏: 1月に発売した『ストリートファイターV アーケードエディション』があります。今年の日本は「eスポーツ元年」となるでしょう。カプコンは米国子会社が主導で『ストリートファイターⅣ』の時代から「Capcom Pro Tour」としてeスポーツに力を入れてきました。日本でもそうした大会を開催し、獲得ポイントによっては日本の優勝者が世界大会に参加できるでしょう。そうなると、いよいよ本当の意味での全世界大会というのが視野に入ってきます。

 「ストリートファイター」が30周年を迎え、メディアで取り上げていただく機会も増えていますから、eスポーツの盛り上がりに併せて「ストリートファイター」のリブランディングと『ストリートファイターV』のユーザー層の拡大を目指していきたいと思います。

eスポーツを訴求したTGS2017の意味

――日本におけるeスポーツの浸透、拡大についてはどのように取り組まれる予定でしょうか。

辻本氏: 一昨年くらいから日本でのeスポーツへの注目が徐々に高まりつつある中、私自身、東京ゲームショウの実行委員長を務めていることもあり、2017年はゲーム業界として業界の内外に向けてeスポーツを訴求していく必要があると考えていました。その前の2016年は「VR元年」として東京ゲームショウでアピールし、VRやAR(拡張現実)の業界内外への浸透が図れましたから、同じように2017年はeスポーツを前面に押し出そうと考えたわけです。

 以前からTGSではeスポーツの展示に力を入れてきましたが、どちらかと言えばパソコン系のハードや、韓国などの海外パブリッシャーによるコンテンツ展開が主でした。この状況を大きく進展させるためには、広くあまねく、いろいろなハードメーカーの協力が必要になる。そこで、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)にもお願いしてPlayStation4のステージを作ってもらうなど、東京ゲームショウ2017で大々的に取り上げることになりました(関連記事:eスポーツ「ストリートファイター」の熱戦に盛り上がる!【TGS2017】)。

 さらに、eスポーツビジネスの発展には、やはり統一団体が必要だということで、東京ゲームショウ2017の前に、コンピュータエンターテインメント協会(CESA)、日本オンラインゲーム協会(JOGA)、日本eスポーツ協会(JeSPA)、e-sports促進機構、日本eスポーツ連盟(JeSF)の5団体によって、新団体設立が発表されました。それが2018年2月1日の「日本eスポーツ連合」(JeSU)の設立として実を結んだわけです(関連記事:eスポーツ新団体設立 プロ化スタート、五輪も視野)。日本でもeスポーツに積極的に取り組んでいかなくてはならないことをアピールする意味で、東京ゲームショウ2017は非常に大きいターニングポイントになったのではないでしょうか。