スピーカー以外にも音声アシスタントが拡大

 CES 2018では、スマートスピーカーのほかにも、AIと音声UIを活用したさまざまな製品が登場した。トピックとして挙げてみよう。

●イヤホン/ヘッドホンはAI対応が当たり前

 「OK、グーグル」のようなトリガーワードを発声する代わりに、本体のボタンをクリックして音声アシスタントを起動。音声操作で、聴きたい楽曲を検索・再生したり、ウェブを検索したりできる。ソニー、JBL、LG、Jabra、ベイヤーダイナミックなどが対応する製品を発表した(関連記事:完全ワイヤレスイヤホンはスポーツ仕様 AI連動も)。

 ポータブルオーディオでは、Googleアシスタント、Alexa、アップルのSiriといった音声アシスタントと既に連携している製品が多く、操作性が改善される程度では新製品としてのインパクトが正直弱い。スマートフォンにつながなくても、単独でLTEやWi-Fi経由でクラウドの音声アシスタントを呼び出せる製品が増えれば展開も広がりそうだが、今回のCESでそのような製品を見つけることができなかった。オーディオのIoT化にはまだ少し時間がかかるかもしれない。

LGのGoogleアシスタントを搭載するスマートイヤホン「TONE Platinum SE」。同社のスマホV30にペアリングして、外国語のリアルタイム翻訳ができる機能をデモンストレーションにより披露していた
LGのGoogleアシスタントを搭載するスマートイヤホン「TONE Platinum SE」。同社のスマホV30にペアリングして、外国語のリアルタイム翻訳ができる機能をデモンストレーションにより披露していた
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●パソコンはスマートホームの要になるか

 パソコンでは、エイスーステック・コンピューター(ASUS)、エイサー、HPがAlexaを組み込むことを発表した。それぞれのパソコンが採用するWindows 10には、既に「Cortana(コルタナ)」というAIアシスタントが搭載されているが、各社の新製品ではこのコルタナとAlexaを連携させ、音声によるハンズフリー操作ができるようになるらしい。

 筆者はMacを使っていて、macOSの最新版にはSiriが搭載されているが、ほとんど使ったことがない。パソコンにはマウスとキーボードという、パソコンに最適化された最強のインターフェースがあるので音声で操作する必要はないと筆者は考えている。ただ、ホームネットワークにつながって、パソコンから音声で操作できる家電機器が増えれば話は別だ。音声だけでは不便な操作はキーボードとマウスで補えるし、スマートデバイスの状態を画面で確認することもできる。スマートホームのコントロールセンターとしてパソコンが持つ可能性は大きいと思う。

ASUSからアマゾンAlexaを搭載するPCが発表された
ASUSからアマゾンAlexaを搭載するPCが発表された
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●スマートテレビはリモコンに話しかける?

 リビングに鎮座する家電の王様、テレビでスマートホームをコントロールできれば便利になりそうだ。筆者は今、自宅のリビング、テレビの隣にスマートスピーカーを置いて使っているので、これをテレビに組み込めたら見た目にもすっきりするのにとよく思う。その期待に応えてくれそうなAIアシスタント搭載のスマートテレビをサムスン、LG、ソニーがCESで発表した(関連記事:薄型テレビのトレンドは「有機EL」「高画質回路」「AI」 )。

LGの2018年モデルのスマートテレビ。ThinQとGoogleアシスタントの両方に対応を予定している
LGの2018年モデルのスマートテレビ。ThinQとGoogleアシスタントの両方に対応を予定している
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 このうちLGとソニーの製品がGoogleアシスタントに対応する。できることはスマートスピーカーとほとんど一緒らしいので、スマートスピーカーはプライベートルームに置いて、リビングではテレビでスマートライフを楽しもうかと期待が膨らみかけた。

 ところが、操作方法を両社のスタッフに確認したところ、テレビに直接話しかけるのではなく、付属のリモコンを手に取り、ボタンを押してからマイクに向かって「OK グーグル」と話しかけなければならないらしい。スマートスピーカーの登場で一度は要らなくなったはずのリモコンが復活してしまった。これでは到底便利とは感じられない。

 テレビの場合は画面を常時オンに、あるいは本体を常時スタンバイにしておく習慣がないので、テレビに内蔵マイクではなくリモコンを使う方が妥当という判断も分からなくもない。テレビを点けていない時の振る舞いをどうするかという課題を乗り越えない限り、スマートスピーカーの利便性を超えることは案外難しいのかもしれない。

LGのスマートテレビに付属するリモコン。リモコンのボタンをクリックしてからトリガーワードを発声して、AIアシスタント機能を呼び出す
LGのスマートテレビに付属するリモコン。リモコンのボタンをクリックしてからトリガーワードを発声して、AIアシスタント機能を呼び出す
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●スマート・ディスプレーは必要か?

 新たな製品分野として登場したのが「スマート・ディスプレー」だ。昨年、アマゾンが「Echo Show」を米国で発売。CESではグーグルが「Google Smart Display」を発表し、初期パートナーにレノボ、JBL、LG、ソニーが名を連ねた。ソニーを除く3社は、北米で夏に発売予定の新製品をCESで披露している。

 グーグルのSmart Displayは画面サイズを8~10インチと規定、マイクやビデオ通話用カメラをのせることを条件としている。グーグルとしては、「マップやフォト、Allo(ビデオ通話)などビジュアルのインターフェースが必要なアプリも楽しめる」から、“スマートスピーカーに画面を合体させたような製品”を発表したとしている。それならスマートフォンやタブレットでいいのではという気もするが、実機で使い勝手を試してみないことには判断は下せない。なお、アマゾン、グーグルのデバイスともに日本での発売は未定だ。

JBLが発表したグーグルのSmart Displayデバイス。音だけのスマートスピーカーで補えないエンターテインメントに対応したことを売りに掲げている
JBLが発表したグーグルのSmart Displayデバイス。音だけのスマートスピーカーで補えないエンターテインメントに対応したことを売りに掲げている
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●ウェアラブルスピーカーに“本命”として期待

 筆者はスマートスピーカーを自宅で使っていて、「これを身に着けて動き回れたら便利なのに」と思うことがしばしばある。例えば、キッチンで仕事をしていると、リビングのスピーカーの音が聴きづらくなるし、音声の認識精度が下がる。音声アシスタント対応のイヤホンやヘッドホンを使う手もあるけれど、家族とのコミュニケーションが取れなくなるのが厄介だと思っていたところ、オンキヨーがウェアラブルタイプのスマートスピーカーを試作してCESに出展した(関連記事:オンキヨー、身に着けるスマートスピーカー開発の狙い)。

オンキヨーのウェアラブルタイプのスマートスピーカー試作機。AIアシスタントの音声を3パターンから切り替えられる
オンキヨーのウェアラブルタイプのスマートスピーカー試作機。AIアシスタントの音声を3パターンから切り替えられる
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 筆者は耳をふさがず音が聴けて、マイクとの距離が近接している機器がスマートデバイスの“本命”のひとつだと考えている。オンキヨーがCESに展示した試作機は単独でインターネットにつながらないが、宅内・宅外で“スマホレス”で使うためにはWi-Fi、あるいはLTEによる通信機能がほしい。

 オンキヨーの試作機は「AIの声をカスタマイズできる」という提案がとてもよかった。身に着けるウェアラブルデバイスで、話し声を自分の好きなアニメやゲームのキャラクターの声などに設定できたら、ものすごく愛着が持てそうだ。AIアシスタントが大ブレイクするきっかけにもなりかねない。

ソニーモバイルが発表した「Xperia Ear Open-Style CONCEPT」も、オープンエアタイプのコミュニケーション用途を想定したイヤホン。AIアシスタントの搭載も計画する
ソニーモバイルが発表した「Xperia Ear Open-Style CONCEPT」も、オープンエアタイプのコミュニケーション用途を想定したイヤホン。AIアシスタントの搭載も計画する
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