画素数をあえて10メガに抑制、高感度動画を極めた「LUMIX GH5S」

 デジタルカメラ関連の新製品の展示は少なかったが、2020年の東京五輪を見据えたプロ向けの高性能モデルの新製品が目を引いた。

 パナソニックが目玉として展示していたのは、マイクロフォーサーズ規格の高性能ミラーレス一眼「LUMIX GH5S」(DC-GH5S)。優れた動画撮影機能で定評のある「LUMIX GH5」のバリエーションモデルとして投入された製品で、GH5と併売される。GH5Sの最大の特徴は、その高感度画質にある。

パナソニックが展示したミラーレス一眼「LUMIX GH5S」(DC-GH5S)。国内でも発表され、1月25日発売とアナウンスされた。国内での実売価格は30万円前後
パナソニックが展示したミラーレス一眼「LUMIX GH5S」(DC-GH5S)。国内でも発表され、1月25日発売とアナウンスされた。国内での実売価格は30万円前後
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 それを実現するために、画素数をあえて1020万画素に抑えたLive MOSセンサーを新たに開発。GH5の2030万画素と比べて画素数が半分ほどにとどまるため、画素一つひとつのセルサイズがGH5比で約1.96倍と大きくなり、ダイナミックレンジとS/N比が向上。高感度撮影時の低ノイズ化を図るとともに、解像感、階調性、色再現性も改善したという。

 新技術として、「デュアルネイティブISO」のイメージセンサーを撮像素子に搭載したのも特筆できる。同社のシネマカメラ「VARICAM」にも搭載されている技術で、低ISO感度用と高ISO感度用の2つの専用回路を用意したのが特徴。撮像素子が感度を高めるとノイズも増幅されるが、あらかじめ高ISO感度用の回路を組み込むことで、高感度化にともなうノイズの増加を抑えられる。高ISO感度用回路は低ISO感度では動作せず、ISO800になった時点で高ISO感度用回路に切り替わる仕組みとのこと。

 こうした2つの仕組みを導入することで、最高ISO感度は従来のISO25600からISO51200に向上。拡張ISO感度で最高ISO204800まで設定可能になった。静止画でも動画でも、従来は撮影できなかったような暗所での高画質撮影ができる。

 同社によれば、「動画ユーザーからGH5で唯一惜しいといわれていたのがISO6400のノイズ」だったという。超高感度対応のミラーレス一眼としてライバルとなるソニーの「α7S II」に対し、4:2:2 10bitや無制限の動画記録時間に対応したこと、ローリングシャッター現象がほとんどないこと、改善された高感度画質で優れているといえる。

LUMIX GH5Sの背面
LUMIX GH5Sの背面
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背面の液晶モニターは2軸可動式となる
背面の液晶モニターは2軸可動式となる
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本体上部。右肩の動画ボタンが赤くなっている点も、GH5とのデザイン上の違いとなっている
本体上部。右肩の動画ボタンが赤くなっている点も、GH5とのデザイン上の違いとなっている
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 動画性能を追求したことで省かれたのが、ボディー内手ブレ補正機構だ。同社自身「思い切った決断」とするが、得意な撮影シーンの違いをGH5と差別化することにこだわったためだという。その背景には、GH5Sはプロユーザーがターゲットであり、ジンバルやスタビライザーなどブレを抑制できる機材を使うユーザーが多い点に加え、「プロの撮影シーンではGH5が全然通用しないケースがあった」という。ボディー内手ブレ補正は、自動車や列車などで強い加速がかかったり、ライブシーンなどで重低音を受けたりすると誤動作してしまうことがあるそうだ。「ボディー内手ブレ補正の副作用を減らすため」としてボディー内手ブレ補正機構を省略し、そうしたシーンでも活用できるようにしたのだという。

 撮像素子は、イメージサークルよりもやや大きいサイズになっていて、アスペクト比を変えても画角が変わらないマルチアスペクトに対応した。久しぶりの機能だが、この仕組みによってアスペクト比を4:3や3:2、16:9に変えても画角が変わらないのは好ましい。17:9のCinema4Kの画角に対応している点も見逃せない。ちなみに、GH5Sがマルチアスペクトに対応したのは、ボディー内手ブレ補正機構を取り除いた結果、スペースが空いたためだそうだ。