2017年3月で休館となる銀座のソニービル(1966年4月竣工)。スキップフロアは東急ハンズ渋谷店、ラフォーレ原宿、銀座・伊東屋の旧店舗など、1960~1970年代の商業建築によく見られた

東京大開発で消滅の危機!? “シブいビル”を楽しむ

2016年12月22日
  • 「シブいビル~高度成長期生まれ・東京のビルガイド~」(鈴木伸子著/リトルモア)。2020年東京五輪を目前に、急ピッチで再開発の進む都心において、今見ておくべき貴重なビル20棟(東京交通会館/有楽町ビル・新有楽町ビル/新橋駅前ビル/ニュー新橋ビル/日本橋髙島屋 増築部分/中野ブロードウェイ/ソニービル/紀伊國屋ビル/ホテルニューオータニ/ロサ会館/サンスクエア/ホテルオークラ東京 別館/パレスサイドビル/三会堂ビル/目黒区総合庁舎/柳屋ビルディング/コマツビル/新東京ビル・国際ビル)を、オールカラーで紹介。約200点の写真を収録。巻末には1954年から1973年の東京の風景や暮らしを知る年表も収録
  • カバーをはずすと、三会堂ビル(赤坂、1967年竣工)の立体的な格子柄の外壁が現れる
  • 三会堂ビルのプレキャストコンクリート製外壁の立体的な格子柄は、名建築の多い溜池交差点界隈でも際立っている
  • ニュー新橋ビル(1971年竣工)は低層部のプレキャストコンクリート製外壁面の凹凸が特徴的。フィボナッチ数列という数字的規則によって配列されているという
  • 東京交通会館(有楽町、1965年竣工)。外観は1992年の大リニューアルでフラットなデザインになったが、精巧でダイナミックなモザイクタイル壁画のある階段ホールは、昭和の趣きをそのまま残している
  • 目黒区総合庁舎(1966年竣工)のエントランスホール付近のらせん階段。同書には掲載されていないが、日本生命日比谷ビル(日生劇場)も村野藤吾の作品
  • 新有楽町ビル(1966年竣工)エントランスの階段ホール。民芸調の陶板タイルの壁面と、モダンなステンレス鏡面仕上げの手すりが融合した、圧倒されるほど美しいデザインだ
  • 東京交通会館の上の「銀座スカイラウンジ」では、都心ならではの景観を1周約80分で、あらゆる角度から眺めることができる。回転ラウンジを現在も営業しているところはごくわずか
  • 2017年3月で休館となる銀座のソニービル(1966年4月竣工)。スキップフロアは東急ハンズ渋谷店、ラフォーレ原宿、銀座・伊東屋の旧店舗など、1960~1970年代の商業建築によく見られた
  • 紀伊國屋ビル(新宿、1964年3月竣工)1階アーケード街は、このビルが建つ以前の同じ場所の街並みをイメージしてデザインされたという。「今は書店も大型化しましたが、紀伊國屋ビルができた1964年には小さな書店がほとんど。ビル3フロアが書店というのは、センセーショナルだったんですよ」(鈴木氏)
  • 鈴木氏が通りがかりに見つけ、スマホに画像を保存したシブいビル