主に対戦ゲームをスポーツ競技のように楽しむ「eスポーツ」。TREND EXPO TOKYO 2016で開催されたeスポーツをテーマにした専門セッションでは、キーパーソン3名が日本におけるeスポーツ普及の課題と今後を語った。

 海外では驚くほどの高額賞金をかけた国際大会も数多く開催されるなど、盛り上がりを見せているeスポーツ。賞金で稼ぐプロゲーマーも続々誕生しているが、残念ながら日本ではまだあまり知られてないのが実情だ。

馬場章氏
馬場章氏
東京アニメ・声優専門学校講師、 一般社団法人日本eスポーツ協会理事

 今年日本で初となるeスポーツの専門学校を新設した、東京アニメ・声優専門学校講師で、一般社団法人日本eスポーツ協会理事の馬場章氏は、eスポーツを「21世紀の最新スポーツ」と呼ぶ。「20世紀の工業化の時代に生まれたのがモータースポーツなら、21世紀の情報化の時代に生まれたのがeスポーツ。ゲームがプレーするものから見せるものへ――配信・実況したり、それを観戦するものになってきている」という。

 世界で行われているeスポーツ大会の賞金総額はおよそ7850万ドル。開催されているトーナメントの数は2900回におよび、賞金を得ているゲーマーは1万3000人以上にもなるという。

 「(eスポーツで賞金を得ている)日本人は371名しかいない。賞金ランキングの上位はアメリカやパキスタン、中国の選手が占めていて、中国はチームでも強い。対して日本では最も上位の選手でも、253位というポジション。日本の頂点をさらに上へと引き上げるとともに、裾野を広げていく必要がある」と馬場氏。日本初のeスポーツ専門学校は、そんな思いで新設されたという。

森太郎氏
森太郎氏
東京ヴェルディ1969フットボールクラブ パートナー営業部 パートナー営業グループ 兼 ファンデベロップメント部 ホームタウングループ

 Jリーグのサッカーチームとして名が知られている東京ヴェルディは、日本のプロスポーツチームとして初めてeスポーツへ参入した。パーソナル営業部の森太郎氏がその理由を紹介してくれた。

 「何ごとも“初”にチャレンジすることに意義があると感じたのと、総合型スポーツクラブを目指す中で新たな国内外のファン、スポンサーを獲得できると考え、eスポーツへの取り組みを決めた」という。

 日本でスタートするeスポーツリーグへ参入するほか、国内外のイベント、大会にも積極的に参加し、東京ヴェルディブランドの向上を図っていく。またサッカーチームを持つ強みを生かし、試合が行われる競技場でイベントを開催したり、リアルスポーツとコラボするなど、積極的に取り組んでいきたいと語った。