3メガバンクがFinTechに積極的な理由とは?

銀行API、ブロックチェーン…メガバンクが語るFinTech(画像)
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 「そもそもなぜメガバンクはFinTechに積極的なのか」という原編集長の問いに対し、「世の中が急速にデジタルシフトするなかで、多業種からの参入もあり、将来には急激な競争環境の変化が起こるのは明白。早く取り組んでおかなければという危機感があった」と語るのは藤井氏だ。

 また「対峙している相手はどこか」という問いに対して、「GAFA Bank」という言葉を紹介したのが大久保氏。「GAFA」とはGoogle、Apple、Facebook、Amazonの4社の頭文字を集めた言葉だが、「GAFAはApple社の『Apple Pay』のようなフィナンシャルの機能を提供している。ユーザーはそのことを意識せず利用している。我々が対峙しているのはそういう相手だ」と説明した。

 また竹田氏も「業種の垣根はどんどんなくなってきていて、あらゆる企業がコンペティターにも、パートナーにもなり得る」と語った。

 「FinTechによって銀行とユーザーの距離はどう縮まるのか」との伊藤編集長の問いに対しては、大久保氏がみずほフィナンシャルグループで提供している、LINEを使ったサービス事例を紹介。初回時にログインすれば、以降はスタンプを送信するだけで残高照会が可能になるというもので、「銀行を意識しなくても金融サービスが受けられる」という。

 これに対し「消費者から銀行が見えなくなって距離が遠ざかるのでは?」と原編集長が指摘。これに藤井氏は「銀行のアプリがスマホのファーストスクリーンに置かれることはないだろうが、銀行APIで外部企業を通じて接点を増やしていくことができる」とし、「生活に寄り添いながら、自然に決済が利用できるというアプローチが重要」だとの持論を展開した。

 竹田氏も「銀行APIだけだと、どこの会社のサービスからわからなくなってしまう懸念はあるが、銀行がユーザーに近づくチャンスでもある」との考えを明らかにした。

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仮想通貨が支払いに利用されるのはいつ?

 パネルディスカッションではこの他、改正銀行法やブロックチェーン、ビットコインなどの仮想通貨の深い内容にも話題が及んだ。ブロックチェーンについての検証が行われている一方で、仮想通貨については3社ともまだ動向を注視しているところといった印象だった。

 藤井氏は、「ビットコインなどの仮想通貨は、現状では投機目的に利用されているが、今後実際に支払いに利用されるようになれば、決済にも影響をおよぼす。それがいつなのか注目している」と語った。

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(文/太田百合子、写真/中村宏)