ショールームを飛び出して見込み顧客にリーチする

 Mercedes-Benz Lifestyle Loungeは、現在、自動車メーカーが抱える課題解決への糸口ともなる取り組みだ。その課題とは、一般の人たちのクルマに対する関心の低下。特に交通機関が発達した都市部では、クルマ好きでもない限り、クルマに触れる機会は少なくなってしまった。自動車メーカーからすれば、いい商品を開発したところで、見てもらう機会自体が少ない。潜在顧客とクルマとのタッチポイントをどう増やすかは、自動車メーカー共通の関心事だろう。

 Mercedes-Benz Lifestyle Loungeが従来の販売店やショールーム、あるいはWebサイトでのプロモーションと違うのは「VRを用いることで、限られたスペースでもメルセデスの世界観をリアルに体験してもらえること」(メルセデス・ベンツ日本広報)だ。実車なら何台もの車を並べられる広さのショールームが必要だが、これなら1部屋分のスペースで済む。用意されている360度動画を切り替えれば、短時間でいろいろな車種を体験できるのも利点だ。

駐車場には、試乗できる実車も数台用意されていた。ただ、VRで体験できる車種すべてを揃えるとなると、もっと広大なスペースが必要だろう
駐車場には、試乗できる実車も数台用意されていた。ただ、VRで体験できる車種すべてを揃えるとなると、もっと広大なスペースが必要だろう
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 この利点を生かして、Mercedes-Benz Lifestyle Loungeは販売店を飛び出し、人の集まるところに打って出たのだ。今回、Mercedes-Benz Lifestyle Loungeが設置されたのは、代官山蔦屋書店の自動車関連書籍売り場の一角。書籍を選ぶために訪れた人も、ふらりと立ち寄れる場所である。

 期間中、平日は約70件、週末には約100件の体験数があったという。「新しい技術であるVRそのものへのお客様の関心が高いので、メルセデス・ベンツや車に興味のない方にも体験していただき、メルセデスブランドに触れてもらえた。新しいお客様とのタッチポイントとして、一定の成果を上げられた」(メルセデス・ベンツ日本広報)と評価する。

 メルセデス・ベンツ日本では、蔦屋書店で実施したMercedes-Benz Lifestyle Loungeを基にプロトタイプを作り、今後の展開を検討する予定だ。また、ダイムラー本社でもVRや360度動画を積極的に導入しているという。